NJ州知事が15年度予算案を発表 年金支出、過去最大に

 ニュージャージー州のクリス・クリスティー知事は25日、2015年会計年度の予算案を発表し、公務員退職年金への支出を22億5000万ドルと過去最大まで引き上げる意向を表明した。
 同知事は発表に際し、年金、健康保険および債務返済のための支出が予算全体の9割を占めていると指摘し、「これにより、最重要項目に資金を回すことができなくなるという危機に瀕している。大幅な改革が必要だ」と強調した。
 一方で、過去5年に引き続き税率の引き上げは行わない意向であるほか、州内の住宅保有者、高齢者、障碍者を対象に12億ドル以上の資産税減税策や、企業への6億ドル規模の減税策を実施する計画も明らかにした。
 クリスティー知事は加えて、メディケイドの受給額の偏りについても触れ、5%の受給者への給付が支出の5割を占めている現状を説明した上で、「より効率的な医療費の確保が必要」と訴えた。
 同知事は、ジョージ・ワシントン橋での「報復渋滞」事件への関与や、大型ハリケーン「サンディ」の復興金をめぐる不正など複数の政治スキャンダルの最中にあり、今週の世論調査では支持率が49%と低迷していることが分かっている。
 クリスティー知事は2013年、知事選で大勝で再選を果たし、昨年の段階では支持率は65%に上っていた。また、16年大統領選への出馬が噂されており、今後の支持率の推移が注目される。