女性消防士が過酷訓練に批判 NY市の訓練学校へ

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 ニューヨーク市議会議員と擁護団体は10日、市議会公聴会で、市消防局(FDNY)に占める女性の割合が少なすぎることを批判した。
 消防刑事司法委員会議長及び市女性議員幹部会共同議長を務める市議会議員エリザベス・クロウリー氏によると、FDNYでは、入隊が決まり、最初の体力テストに合格した仮採用期間の消防士候補生に対し、職務能力訓練演習という名目の下、馬を引っ張ったり、フル装備で梯子を登るなどの過酷なトレーニングを課しているという。
 同氏は、「警察などの他機関では、体力テストは入隊試験の際に行い、合格者を訓練する。FDNYの訓練学校はこれまでになく、訓練機関というよりテスト機関のようになってきている」と批判した。
 2013年12月の消防士訓練学校には女性8人が入学したが、卒業したのは半数の4人だけだった。現在1万人以上いる市の消防士の内、女性は全体の1%未満の44人。
 女性消防士連合代表サリニャ・スリサクル氏は、「実際の火災現場では大勢が分担して行う複数の作業を1つの障害物コースに設定し、迅速性を求めるなど、現実性がなく、違法で正当性がない」と批判した。
 FDNY局長ダニエル・ネグロ氏は、「消防士選抜試験(FST)への合格が卒業要件でなくなり、代わりに成績が総合的評価の1つとなった」と弁明している。