事件半年前に「回復」と診断 息子殺害の精神分裂症の母親

 3月30日にマンハッタン区ミッドタウンの「ファイブ・ボロー・バーガー」のトイレで1歳8カ月の男の子が死亡した事件で今月1日、息子を殺害したと見られる母親は精神分裂症を患い治療を受けていたが、専門機関から半年前に「回復した」と審理され、プログラムを終了していたことが分かった。
 検察によると、6番街と36丁目のバーガー店で午後2時半頃、ラティーシャ・フィッシャー容疑者(35)が息子のガブリエル・オルティーズ=フィッシャーちゃんの鼻や口をふさぎ、窒息死させた疑いがもたれている。発見時、容疑者は息子の命を助けるよう泣いていたという。ガブリエルちゃんはベルビュー病院へ搬送されたが、死亡が確認された。容疑者は「悪魔の仕業」と証言しているという。
 容疑者は2011年に叔母の頭部をナイフで刺す事件を起こし殺人罪などで起訴されたが、偏執症と精神分裂症と診断され、15年の服役ではなく投薬を含む専門機関(CASES)の指導を受けていた。
 容疑者は順調な回復を見せ、特に子どもが生まれてからは社会と子育てに順応していたという。昨年秋頃の審理を通り、14年の12月に2年の専門プログラムを終了した矢先の事件だった。