Dr.高田洋平 Dr.高田、宮崎プロのFunctional Golf 集中練習と分散練習 

集中練習と分散練習
 こんにちは、ティーチングプロの宮崎です。ゴルフシーズンに突入したということで、多くの方がコースに出てゴルフを楽しんでいらっしゃるのではないでしょうか。そして個人的に、シーズンに入って一カ月ほど経った今の時期は練習場にとても多くの人が足を運ぶ時期だと感じています。それは、練習不足だったためにコースで良いスコアを出せなかったから練習に行こうという気持ちになる人が多いからではないでしょうか(笑)

 そんなわけで、今回は練習方法についてお話しようと思います。練習時に気をつけるべき点は、ボールを打つ時間と休憩のバランスです。
 米国人に比べ、日本人はボールを打つ量が多い傾向があります。新規にレッスンを受けに来られた方の中に「先日500球打ってきました!」という方がいたりしてとても驚きます。内容を聞いてみると、多くの方は休憩無しでフルスイングをして、最後にはクタクタになるとのこと。「そんなにたくさんボールを打って、ちゃんとしたショットを撃ち続けることはできるの?」と尋ねると、やはり練習の半ばから終盤にはまともなショットが打てないと言います。残念ながら、そうした練習は運動学習の視点から見ても、意味のある練習とは言い難いです。
 練習のやり方には、集中練習と分散練習という2つのタイプがあります。集中練習とは休憩を少なくして一気にボールを打つ練習形式、反対に分散練習は比較的休憩時間を多く取る練習形式になります。

 先ほど例に挙げた方は〝休み無しで500球打った〟という点で、集中練習をしていたと考えられます。集中練習は休憩による疲労回復の時間が減り、パフォーマンスが低下する恐れがあります。例えば疲れて、または集中力が切れてヘッポコなショットを打ってしまうという感じです。反対に分散練習では比較的長く休憩をとる訳ですが、過度な休憩は練習量の減少を招く恐れがある反面、休憩の量が適切ならば疲労を回復させパフォーマンス(練習の質)を維持することができます。つまり良いショットを打ち続けやすくなるといえます。そういった点で、僕はゴルフの練習には分散練習が有効的だと考えます。分散練習で大切なのはボールを打つ時間と休憩時間の適切なコンビネーションを見つけ出すことです。
 では、どのように休憩は挟めば良いのかをいくつか提案します。上述したように、疲れによりショットが乱れてきた時は必ず休みましょう。また、良いショットを打ち続けている時でも休憩を入れることが有効です。僕はレッスンをしている際に、生徒さんが良いショットを打ち始めたと思ったら休憩を入れます。そしてそのショットと全く関係のないことを話したり、ちょっと打席から離れたところまで歩いて、帰ってきてからショットを再開したりします。なぜこのようなことをするか? それは、視界や体勢、思考などを変えることによって身体を良いショットを打っている状態からリセットしているのです。
 身体をリセットした状態でショットを再開し、良いショットが打てればそのスイングが身に付いていると考えられます。言うまでもありませんが、ゴルフコースでは常にリセットしている状態からショットを打つわけです。ですから、このようにリセットを入れながら一つ一つのショットが身についているか、練習時に確認をしていくことは大切です。

 
 
 
 
 
 
 
 

 
 
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Biography 高田洋平
DPT, CFMT, OCS, SCS, CAOPT,ゴルフを中心としたスポーツリハビリを学びたいと渡米。コロンビア大学でDoctor of Physical Therapy(理学療法学•博士号)を取得。現在Func-Phsyotherapyのオーナー。 ゴルフリハビリの資格:TPI(Titleist Performance Institute) Medical Profession‐Level Ⅲ。
USGA Handicap: +0.3
連絡先/yt@funcphysio.com
TEL (347)-497-0500

 


Biography 宮崎 太輝
NY市立大学大学院で Exercise Science & Rehabilitationを専攻し、効率よく新しい身体の動きの習得を促すために運動学習を研究。東京でプロやインストラクター、トレーナーに向けてゴルフスイングや指導法の講習を行った経験を持つ。現在はMosholu Golf CourseとWestchester Driving Rangeにてレッスン活動を行う。
連絡先/taikim@motorlearningolf.nyc
TEL (516)-467-6699