ニューヨーク市内を歩いていて、犬を連れて散歩をするニューヨーカーに出くわさない日はない。また、それと同じくらいの頻度で彼らの〝忘れ物〟を見かける。犬のフンだ。「愛犬の世話は最後までしてもらいたい」と、市には市民から多くの苦情が寄せられているというが、迷惑をしている人も愛犬家も、全ての人の役に立つプロジェクトが発足されようとしている。
市清掃局の元副局長で、現在は民間企業を経営しているロン・ゴネン氏はこのほど、市内の公園で犬のフンをクリーンエネルギーに変える「スパーキーパワー」を立ち上げる準備をしていると米メディアが伝えた。スパーキーパワーは、飼い主が犬のフンを始末する際にゴミ箱ではなく、公園に設置された嫌気性消化のできる装置へ投入することで、公園内の施設や電灯に使用可能な電力へと転換できるプログラムだ。約10万ドルをかけて1年間にわたり試験を行い、市内3カ所の公園に装置の設置を目指す。
市には約60万匹の飼い犬がおり、人口14人当たりに1匹という割合で犬が飼われている。さらに、年間で10万トン以上のフンが出ているといい、歩道や公園に設置されたゴミ箱に捨てられた分はごみ処理場へ運ばれ、1トンあたり100ドル以上をかけて処理されている。スパーキーパワーが採用されれば、かなりのコスト削減になりそうだ。
米国では犬を飼う人が年々増えている。米国獣医師会によると、米国の住宅の3分の1以上で少なくとも1匹の犬が飼われているといい、国内に8300万匹以上の飼い犬がいる計算だ。犬は人間の2倍以上のフンを出し、その量は1匹あたり年間で約125キロにもなるため、それを処理するためのコストは膨大だ。
犬たちのフンの約60%はごみ処理場へ運ばれ、温室効果ガスなどの原因となっている。そして残りの40%は、歩行者や車に踏まれてなくなるか、下水道に流れ込み水路を汚染し病原菌の原因となることもあるという。
現在、市公園局が検討中だというスパーキーパワー。他州の都市では失敗に終わっている〝フンをエネルギーに変える〟プロジェクトが、ニューヨーク市では成功することを願うばかりである。
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