弁護士スティーブン・エプステインの知ってて安心! 法律指南 Vol. 34 ◆交通事故についての訴訟

万が一、あなたが交通事故に遭い、車が損傷し、あなた自身も傷害を負った場合、相手の運転手を訴えるべきかどうかの判断が求められます。訴訟を検討している人は、すぐに適切な医療処置を受けることをお勧めします。それは、あなた自身の体のためでもあり、また訴訟を起こす際にも必要となります。

すぐに治療を行なわなかった場合、けがの状況が深刻ではないと判断され、そのけがは事故に関連していないとみなされてしまいます。診断書や処方箋、医薬品などの領収書だけでなく、交通費などの事故によって発生した出費を含む、医療に関わった全ての書類を保管しておいてください。
 さらに法的援助を求めることも重要となります。弁護士費用がかかることを恐れ、多くの人々は弁護士を雇うことに消極的になります。しかし、ほとんどの交通事故による訴訟は、成功報酬として取り扱います。成功報酬とは、あなたが利益を得た場合のみ、その利益の一部が弁護士に支払われることを意味します。利益を得なかった場合は、弁護士料を支払う必要はありません。利益を得た場合の弁護士費用は、通常、回収された金額の3分の1の割合が一般的となっています。
 交通事故は、民事訴訟となります。地方裁判所に請願書を提出し、裁判所はあなたが訴えようとしている人物や企業、組織に訴状を送達します。その後、証拠開示という段階に入りますが、これは双方の弁護士が証拠を調査する期間となります。例えば、目撃者にインタビューし、文書内容を審査することを含みます。双方の弁護士は、調査中に集められたお互いの全ての情報を共有する必要があります。インタビューを受ける人は、裁判所と同じように真実を伝えることを誓い、速記者はその内容の記録を取ります。
 証拠開示後、裁判に入る前段階で、双方ともに、評決を裁判所に申し立てすることができます。どちらかがその評決を受理しなかった場合のみ、その訴訟が裁判へと進みます。
 実際には、ほとんどの傷害訴訟が、裁判を行う前に和解で終わります。相手側が裁判によって判決を下される前に和解に持ち込もうと金額を提示する場合もあるので、その際にはあなたの弁護士とともに慎重に決断を下してください。

Steven
Steven W. Epstein スティーブン・エプステイン弁護士
ブランディーズ大学、ニューヨーク・ロースクール卒。18歳から法律事務所で働き始め、2003年まで弁護士組合員として幅広い分野の訴訟を担当。04年に独立し、「Steven W. Epstein & Assosiates法律事務所」を設立した。取扱い業務は、民事訴訟、会社法(設立、契約)、家庭法(離婚)、刑事訴訟など、多岐に渡る。また、NY市行政裁判所にて非常勤審判官も務めている。

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