FDNY内でまたも訴訟 アフリカ系の差別待遇消えず

 【4日付ニューヨークポスト】FDNYで、待遇を巡って差別解消を求める集団訴訟が再度、起きていたことが4日までに分かった。FDNYでは2014年、アフリカ系消防士で組織する団体バルカンソサエティーが、アフリカ系やヒスパニック系消防士の雇用を巡り差別があったとして訴訟に踏み切り、FDNYが9800万ドル(約110億円)の賠償金を支払うことで和解している。
 今回の原告は、アフリカ系の緊急医療班(EMS)職員や一般職員。人種を理由に賃金が安く抑えられ、昇進や昇給にも障壁があり、こうした差別が14年の和解以降も変わらないと主張している。原告側の弁護士ロブ・バリさんは、14年の集団訴訟とは別だとしており、FDNYの差別待遇に「組織的で継続的かつ意図的に差別が認められる」との見解を述べている。
 例えば、コンピュータのスペシャリストとして1989年に採用されたステファニー・トーマスさんは、コンピュータサイエンスの学士号や経営学修士号の学歴および、大手会計事務所アーサー・アンダーセンなどでの職歴があるにもかかわらず、一度も昇進していない。
 原告らは、第三者による昇給制度の見直しやアフリカ系の幹部登用拡大を求めている。

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