Dr. 石谷三佳 なるほど!ザ・カイロ 毎月第1月曜号掲載 VOL.80 腰を痛めず雪かきをする方法

 既に大雪が降りましたが、今年は雪が多く降りそうですね。さすがに今年はスノーブロワー(雪かきをする機械=除雪機)が必要になるかもしれません。

それでも、スノーブロワーを使わずに雪かきをする人のために、腰や肩を痛めない簡単なノウハウをお教えいたします。
 長年この地域にお住まいの方は、雪かきをするのがどれだけ大変で重労働か、そしてそのために首や腰を痛めてしまうかをよくご存知だと思います。雪かきの際、通常のシャベルを使うと、雪をすくい上げる方法になります。これが腰や肩などを痛める第一の原因です。雪かきを安全にかつ簡単にするためには「a push blade with wheels」と呼ばれるシャベルに車輪が付いたものや、「a snow scoop」と呼ばれる、日本ではスノーダンプ呼ばれているものを使います。これらを使うことで、雪をすくい上げるのではなく雪を押して処理することができるため、肩や腰を痛めにくくなります。さらに、雪が深く積もっているなら除雪機を使うことをお勧めします。シャベルで雪かきなんて簡単にできると思っても、思わぬところで体を痛めます。無理をしないことが第一条件です。
 以下がいくつかの注意事項です。ぜひ頭に入れておいてください。

1.雪かきは雪が積もり過ぎる前に、早めにかつこまめにすること。5㎝以上雪をためないようにすること。特に吹雪のときは頻繁に雪かきをする必要があります。重い雪を持ち上げるより首や腰にとっても負担が少なくて済みます。たくさんの雪を一気に片付けようとすると重たくて筋肉を痛めます。
2.固くて凍っている雪は絶対に雪かきしない。軟らかい雪だけを雪かきする。固く凍っている雪はとても重たく、それを崩して持ち上げて雪かきするのは首や肩、腰の筋肉を痛めます。
3.持ち上げて雪をすくうのではなく、雪を押しながら雪かきします。
4.雪かきのシャベルがナイフのようにシャープであること、取っ手の使いやすさも重要。
5.近くの雪から片付ける。遠い所をきれいにしようと手を伸ばすと背骨に負担がかかります。
6.シャベルに雪を乗せたら、なるべく体の近くで支えて持つこと。
7.かがむときはひざを曲げて腰と首はまっすぐに。
8.両足でしっかり構えて雪をかくことで、困難な雪かきも乗り切れます。
9.左右の手足を交互に使うことが大切。
10.雪を投げるときは体から短い距離だけ。遠くに投げれば投げるほど筋肉を痛めてしまいます。

 頻繁に休憩を取り筋肉を休ませながら、また以上を心に留めながら安全に雪かきをしてください。しかし、もし体を痛めてしまったら、大したことないと自分で判断せず、症状を悪化させないためにもすぐにカイロプラクティック医の診察を受けることをお勧めします。早めの正しい処置と治療が早い回復のカギです。

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Dr. 石谷三佳
石谷ヘルスセンター院長。パーマーカイロプラクティック大学院卒後、ハーバード大学医学部専門課程終了。米国、米国小児、ニュージャージー、日本カイロプラクティック協会会員も務め、2008年には「Chiropractor of the Year」を受賞。寄稿著者に“Neck Pain…
You Don’t Want It, You Don’t Need It”がある。

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