天井の黒ずんだ部分は? グラセンに隠された謎

 【7日付ニューヨークタイムズ】グランドセントラル駅には、知る人ぞ知る謎がいくつかある。星座が描かれているメインコンコースの天井にある、黒ずんだ部分もその1つだ。
 1913年に開業した同駅は96年、総工費2億ドルをかけて改装工事を開始。これにはメインコンコースの天井の修復と清掃作業も含まれていた。コンコース内では長年にわたり喫煙が許されていたため、たばこのヤニで天井が黒ずんでいたからだ。修復師らが使ったのは一般家庭でも使われる漂白効果の高い洗剤、「シンプルグリーン」。それを木綿のモップに含ませ丁寧に汚れを落としていったという。改装工事は2年後に終わったが、清掃前に天井がどれだけ汚れていたかを示すため、一部をそのまま残すことに。縦9インチ(約23センチメートル)、横5インチ(約13センチメートル)の長方形の黒ずみは、コンコース北西部の隅にある。
 天井の修復と清掃に当たっては開業当時の状況をほぼ忠実に再現。描かれている星座の東西が逆になっているのもそのままだ。床に置いた下絵を見ながら天井に描き写した際の間違いだといわれている。利用者がこの誤りを指摘すると、同駅関係者は「天空の神さまの視点から描いたものだ」と苦しい言い訳をしたという。

見上げてごらんグラセンの星を(photo: 本紙)

見上げてごらんグラセンの星を(photo: 本紙)