引き離された子どもたち救え NY市民立ち上がる

 メキシコ国境で親と引き離された子ども239人がニューヨーク市マンハッタン区、イーストハーレムの児童福祉施設で保護されているとの報道を受け、同区のマーク・レバイン市議会議員(民主)の事務所では21日、子どもたちへ送る救援物資の受け付けを始めた。同議員によると、これまでに集まったのは子ども服やオムツ、おもちゃなど。支援を申し出る弁護士や小児科医などの専門家や、子どもを引き取って世話をしたいと問い合わせる市民もいるという。22日午後、ブロンクスではルーベン・ディアス・ジュニア区長の呼び掛けで不寛容政策に対する抗議集会が開催された。

子どもたちが収容されている児童福祉施設の入り口。東125丁目の駅から徒歩5分程度だが、道路を隔てた高架線路下はごみ収集車の駐車場。夜間は人通りも少ない=22日午前8時撮影 (photo: 本紙)

子どもたちが収容されている児童福祉施設の入り口。東125丁目の駅から徒歩5分程度だが、道路を隔てた高架線路下はごみ収集車の駐車場。夜間は人通りも少ない=22日午前8時撮影 (photo: 本紙)

【21日付amニューヨーク】ニューヨークのビル・デブラシオ市長は20日、メキシコ国境で親と引き離された子どもたちが収容されているマンハッタン区イーストハーレムの児童養護施設カユガセンターを訪れた。
 親と引き離された239人の子どもたちは同施設へ移送され、2カ月にわたり生活していたという。連邦政府は、子どもたちを同施設に収容したことを市に報告していなかった。市長は、「239人の子どもたちが1日でも早く親の元へ戻れるよう、強く働きかけていく」と述べた。
 専門家によると、子どもたちの多くは親と引き離され施設に収容されたことにショックを受け、精神的苦痛を抱えているという。また、シラミや南京虫などに感染していたり、皮膚病にかかったりした子どももいたという。
 市には同施設以外にも連邦政府と契約し、親と引き離された子どもたちを監視する未公表の非営利組織が複数存在するとされ、不寛容政策が4月に実施されて以来、350人の子どもたちが同施設に収容されていた。最年少は生後9カ月の乳児だった。

6.22 Update

 ニューヨークのアンドリュー・クオモ州知事は21日、州に送られた子どもは合計約700人と発表。州児童家族サービス局のシエラ・プール局長は22日、州内の児童福祉施設に対し、米入国管理局から送られた子どもに関する詳細な情報を公開するよう求める書簡を送った。