毎週第4金曜号掲載「My 養生・不養生」第9回 高橋卓人先生 自転車通勤、バランスの取れた食事、 週2回のジム通いで目指せ理想体重

第9回 My 養生・不養生 
「健康的な生活をしましょうね」と日頃から患者に説いている医療専門家。プライベートでも健康に気を遣っているかというと、どっこいそうでもなかったりして!? 先生がたの意外な素顔を直撃インタビュー。

高橋卓人先生
自転車通勤、バランスの取れた食事、
週2回のジム通いで目指せ理想体重

「朝、体を動かした方が代謝が活発になり消費カロリーが増える。医学的にも理にかなっています」と話す高橋先生

「朝、体を動かした方が代謝が活発になり消費カロリーが増える。医学的にも理にかなっています」と話す高橋先生

高橋卓人
日本小児科専門医。山梨大学医学部卒業後、日本での小児科研修を修了後に来米。ニューヨーク州立大学ダウンステート・メディカル・センターで小児科研修を修了。2018年7月からミネソタ大学で小児血液腫瘍学の専門研修を開始予定。愛知県岡崎市出身。

—年齢(33)よりずっと若く見えます。

 いえいえ(笑)。去年の春に結婚したんですが、妻が作ってくれるものを「おいしいおいしい」と言って全部食べていたら10キロも太ってしまって。ちょっとまずいなと思い、このところ、ダイエットをしているんです。

—何キロから何キロに増えましたか?

 ずっと70キロ台前半だったのが82から83キロに。でも、この2カ月で6キロ痩せました。目標は70キロを下回ること。実は今、妻が妊娠中なんですが、8月の出産に合わせて達成したいです。

—どうやって痩せたのですか?

 筋トレと自転車通勤と食事管理です。僕は小、中、高校生のときはサッカーを、日本で仕事を始めてからはジムに通っていたんです。こちらに来てからは忙しくてなかなか行けなかったんですが、最近は週2回1時間のペースでジムに通って、ダンベルやマシンを使って筋トレをしています。
 勤務は基本的にダウンステート・メディカル・センター(DMC)ですが、短期間交代でブルックリン区内のいろんな病院を回るんです。ついこの前までコニーアイランド病院に1カ月通っていたんですが、地下鉄で行っても自転車で行っても1時間かかるので、ほぼ毎日、自転車で通勤していました。自転車通勤は現在も続けています。

—自宅からだとどのくらいありますか?

 片道約10キロメートル。僕はスイッチを切り替えるまでには時間がかかりますが、一度、切り替えられたらスムーズにそっちのモードに入れるんです。自転車でコニーアイランド病院に行き始めてから、がぜんやる気が出て食生活も変えました。

—奥様との二人三脚ですね。

 はい。妻が3食作ってくれます。朝食はグラノーラと果物入りのヨーグルト。昼食はチキンサラダ。夕食は制限せずになんでも食べます。おかずは、ステーキやポークチョップ、ハンバーグなど肉が中心。半膳! 揚げ物はなるべく食べないようにしています。

妻の有希さんが毎日作ってくれるお弁当。タンパク質やカロチン、ビタミンBやCなど栄養バランスも抜群

妻の有希さんが毎日作ってくれるお弁当。タンパク質やカロチン、ビタミンBやCなど栄養バランスも抜群

—他には何かしていますか?

 一昨年のブルックリンマラソンは、妻と共に完走しました。今年1月のフローズン・ボンサイ・マラソンも。週末、気が向いたらプロスペクトパークを1周走っています。

2016年冬のブルックリンマラソンは夫婦で完走

2016年冬のブルックリンマラソンは夫婦で完走

—優等生ですね。

 そんなことないですよー。僕、日本製のスナック菓子が大好きなんです。いつも妻に文句を言われるのはダイエットコークを飲むこと。まとめ買いすると嫌な顔をされます。ノンシュガーでも、気に入らないみたいです。
 
—来月からいよいよミネソタ大学へ移られるそうですね。大学では何をされるのですか?

 小児がんの専門医になるための勉強をします。中でも小児血液腫瘍における骨髄移植について研究したいと考えています。ミネソタ大学は他人からの骨髄移植を世界で初めて成功させた実績があり、骨髄移植の分野では世界有数の研究所です。ドナーバンクもミネアポリスにありますし。そこで3年間、臨床と研究で経験を積み、将来は、米国で小児骨髄移植の専門家となり、日本やアジアの医療の発展に貢献したいと考えています。

—骨髄移植を研究テーマに選んだのは?

 僕も小学校6年生のとき、悪性リンパ腫で8カ月入院しました。治療しないと100%死亡する病気ですが、幸いにも化学療法が効いて、元気になりました。自分では強く意識したわけではないのですが、きっかけと言えば子どものころの経験かもしれないですね。
 骨髄移植を志しているのには、いくつか理由があります。白血病や悪性リンパ腫は抗がん剤への反応が非常に良く、現在では90%以上が治るようになったことから、治りが悪いタイプ、すなわち移植が必要なタイプの治療が現在の主な研究領域の1つになっていること。移植治療で腫瘍以外の不治の病を治せること。そして臨床が重症度・複雑度が高くチャレンジングであること。研究も非常に活発で進歩が早いことなどです。

—そして8月にはお父さんですね。

 そうですね。DMCでは生後すぐに亡くなったり、生きながらえても、重度の障害を抱えたりするであろう超未熟児を診る機会も少なくなかったので、今は、ただただ元気に生まれてくれることを願っています。

自宅近くのイースタンパークウェーで

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