DR.高田洋平 FUNCPHYSIOの気になる体のはなし Vol.12 放置すると怖い足首の捻挫

 スポーツで最も多いけがといえば、足首の捻挫。骨折もしていないし腫れも引いたので、といって放置している人はいませんか?

足首の関節は、すねの内側の脛骨の内果(内くるぶし)とその外側の腓骨の外果(外くるぶし)とその下の距骨(きょこつ)が靭帯でつながることで構成されています。靭帯は骨と骨をつなぎ、骨同士のずれを防ぎ、関節の可動域を限定する役割をしています。
 足首の捻挫とは、関節が本来の可動域を越えて動き、周囲の靭帯が損傷することをいいます。靭帯を損傷することで関節の安定性がなくなり、しっかりと治療しなければ同じところを再びひねるリスクが高くなります。実際、足首を捻挫した人の70%以上が再発を経験しています。

捻挫をすると
 足首の捻挫に対するリハビリは、炎症を抑えることから始め、その後徐々にバランストレーニングなどを行って可動域を回復させ、関節周りの筋肉を強化させる、という流れが一般的です。しかし捻挫後のリハビリで見落とされがちなのが、足首から下の関節へのアプローチです。足は「前足部」「中足部」「後足部」の3つに分けられ、たくさんの細かい骨で構成されています。
 捻挫をすると、足首を固定している靭帯が緩くなることでこれらの細かい骨が本来あるべき位置からずれてしまいます。すると足首の軸(アラインメント)が正しく定まらず、 痛みや腫れが引いたとしても関節の動きが十分に改善されないままになることもあります。

アラインメントの「ずれ」に注意
 捻挫をしてから時間が経っているのに、しゃがむときやつま先立ちをしたときにまだ痛みや硬さが感じられるという症状がある場合は、アラインメントがずれているからかもしれません。足は体の土台となります。細かな骨のずれによって、膝や股関節、腰にまでも影響が出てきます。可動域や筋肉の強化の前にアラインメントを整えていくことが大変重要で、効率の良い改善や再発予防につながります。
 ファンクフィジオでは足首のけがを起こしやすい多くのアスリートやダンサーの治療を行っています。足首の捻挫の経験がある人や、捻挫のくせがついてしまっている人は一度当院にご相談ください。

山並絵美 PT, DPT
ミシガン州立大学で運動学を専攻。ロングアイランド大学理学療法学博士号取得(Doctor of Physical Therapy)。自身も学生時代にバレーボールやバスケットボール、サッカーを経験し、スポーツリハビリを得意とする。現在は、FuncPhysioで
ファンクショナル・マニュアル・セラピーの習得を目指し勤務中。
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