NYPD元刑事、売春あっせんで起訴 現役警官7人も関与、捜査方法熟知

 【13日付ウォール・ストリート・ジャーナル】ニューヨーク市警察(NYPD)での捜査経験を利用し売春組織を運営したとして、クイーンズ地区検事局は13日、NYPDを退職した元刑事のラドウィッグ・パズ被告(51)を売春あっせんと企業汚職の罪で起訴した。同被告を手助けしたとして現役のNYPD警官7人の他、同被告の妻ら25人も逮捕、起訴された。
 同地区検事局によるとパズ被告はNYPDで売春や麻薬などを取り締まる風紀犯罪取締班に勤務し、2010年に退職。同班で得た知識を使い、少なくとも16年8月から17年9月までの間、ブルックリン区とクイーンズ区で売春組織を運営したとされる。運営を通して200万ドル(約22億4000万円)以上を稼いだという。
 パズ被告は覆面捜査官が捜査において性器を出せないことを知った上で、売春婦らに「新規の顧客には裸になってもらい、安全検査を通過させる」よう指示していた。また、捜査の手から逃れるために現役の警官に売春婦らと性行為をさせることと引き換えに、NYPD内部の機密情報を取得。強制捜査の可能性のある日時や場所の情報の他、覆面捜査官の顔写真などを入手していたという。
 同地区検事局によると15年、1人の警官がNYPD内務局にパズ被告の組織の存在を告発して以来、3年にわたり捜査していた。統計によると、市内の売春容疑での検挙数は14年の6346件から17年には1405件にまで減少している。