差別発言のNY市議に辞任求める声 「議会は同性愛者に牛耳られている」

 【11日付ニューヨークタイムズ】ブロンクス区選出、ニューヨーク市議会のルーベン・ディアス・シニア議員(民主)が同性愛者に対して差別的な発言をした問題で、同議員の辞任を求める声が高まっている。ビル・デブラシオ市長も「謝罪をしないのなら辞任すべき」と話している。
 同議員は8日、スペイン語のラジオ番組で「議会はホモセクシャルに牛耳られている」と発言。同性愛を公言するコリー・ジョンソン市議会議長は「LGBTQコミュニティーを深く侮辱する」と述べ、辞任を求めていた。
 同議員の息子で、2021年の市長選の有力候補であるルーベン・ディアス・ジュニア区長は11日、同議員に謝罪を促したが拒否されたと話し「父の辞任を求める理由は理解できる」と述べた。スコット・ストリンガー市会計監査官や同性愛者の市民団体も辞任を訴えている。
 ニューヨーク州上院議員を務めたこともある同議員は、長年同性愛者への政策に批判的な立場を取ってきた。LGBTQなどの性的少数者のために設計されたハーベイ・ミルク高校について数年前、分離を禁止する法律に違反するとして提訴。11年には同性愛者同士の結婚に反対する集会を開催している。
 同議員の弁護士は辞任を求めることができるのは選挙区民だけで、11月の選挙によってのみと主張し、辞任しない考えを示した。

ルーベン・ディアス・
シニア議員=2014年(photo: MTA)