新参スカイダンスがパラマウント買収で山場
巨大エンタメ企業誕生へ
ハリウッドでは新進の映画スタジオであるスカイダンス・メディアが、米国で2番目に古い老舗スタジオ、パラマウント・ピクチャーズを買収する交渉が山場を迎えている。2日、ニューヨーク・タイムズが伝えた。
スカイダンスはオラクルの共同創業者、ラリー・エリソン氏の息子、デービッド・エリソン氏が2010年に設立。「ミッション・インポッシブル」シリーズ、「トップガン・マヴェリック」などの大ヒット作品を制作した。一方のパラマウントはハリウッドの老舗。CBSやニコロデオンなどを傘下に収める。
関係者によると両社は排他的に交渉を進めている。具体的には、パラマウント支配株主、シャリー・レッドストーン氏の持株会社ナショナル・アミューズメントをスカイダンスが買収し、パラマウントと合併。巨大エンタメ企業を誕生させる。エリソン氏は先月、パラマウントの取締役会でこのビジョンを説明したという。
レッドストーン氏はストリーミングサービス「Paramount+」が業績に寄与するとして長年、株売却に消極的だった。ただ、同サービスはいまだに赤字。パラマウントの株価は今年初めから18%下落した。S&Pは先週、同サービスの将来は「不確か」としてパラマウント社債をジャンク債に格下げしている。
両社ともコメントの求めに応じておらず、最終的に合意に至るかは不明。5000億ドルの資産を運用するアポロ・グローバル・マネジメントやウェザー・チャンネルを保有するエンターテイメント・スタジオズもパラマウント買収に興味を示している。