駐車許可書を廃止、デジタル化へ NY市職員による乱用防止目指す

 【21日付ウォール・ストリート・ジャーナル】ニューヨークのビル・デブラシオ市長は21日、現行の市職員向け駐車許可書(プラカード)を段階的に廃止し、2021年をめどに、警察官や消防士を含む市職員の車のナンバープレートにデジタル化されたデータベースとつながったステッカーを貼る方式に切り替えると発表した。プラカードの乱用を防止し、市民の駐車スペースを確保するのが目的。
 現行、市職員は業務中、市が発行したプラカードを車のダッシュボードに置くことで、駐車料金の支払いを免れることができる。しかしプラカードを乱用する職員が後を絶たず、渋滞している路上や消火栓前に駐車するなどの弊害を招いているという。17年には偽造プラカードを購入し使用した30人が逮捕されたことを受け、市長は取り締まりを強化。その結果、18年に違法駐車と判断され発行された召喚状数は、16年と比べ93%増えていた。
 市ではプラカードの発行数を再確認するとともに、ローワーマンハッタンやブルックリン区のダウンタウンなど、乱用が頻発する地域では10人構成の取り締まり班を結成し、目を光らせる。また、取り締まりを少なくとも毎週50回行う、罰金を現行の250ドル(約2万7750円)から500ドル(約5万5500円)に倍増するなど、市議会にも乱用防止を目指す複数の条例案が提出されている。

21日、マンハッタン区チャイナタウンで新方式を発表する市長(photo: MichaelAppleton/Mayoral Photography Office)