ブロンクスの森を外来種から守れ 日本の野草も脅威に

 マンハッタン区を拠点とする非営利団体、ナチュラル・エリアズ・コンサーバンシーは、ブロンクス区の森を外来種の侵入から守る活動に励んでいる。ニューヨークタイムズが3月29日、報じた。
 同団体によるとブロンクス区には2041エーカー(約826万平方メートル)の森林地帯がある。同団体の責任者、サラ・シャーロップ=パワーズさんは同紙の取材に「ウエストチェスター郡の住宅の庭や公園に生えた外来種が、ブロンクス川を流れて区内に侵入してくる」と指摘。特に問題がある外来種として、日本でも野生する「イタドリ」や紫色の花を咲かせる「ムラサキケマン」を挙げた。イタドリは竹のように高く伸び、葉を茂らせて日光を遮断、在来種の成長を脅かす。ムラサキケマンも繁殖力が旺盛。同団体の生態学者、ヘレン・フォージオーネさんは同紙の取材に、こうした外来種により「従来の野草は駆逐され、ミツバチの活動も衰える」と語った。
 同紙によると団体では、他の団体と協力して同区に野生する在来種を調査し、外来種の駆除を実施する予定だ。2017年にはブルックリン区のプロスペクトパークににヤギを放ち、外来種を食べさせた。昨年は、同パーク内のルックアウトヒルに在来種を植樹。同団体ではマンハッタンのリバーサイドパークでも同様の活動を予定している。

団体の公式ホームページより