書店ゼロの町に「知性光る場所」 ブロンクスにオープン

 2016年末に書店小売大手のバーンズ・アンド・ノーブル(B&N)が撤退してから、書店が1店舗も無かったブロンクス区に27日、書店がオープンした。その名も「The Lit. Bar」。店主は同区サウンドビューで生まれ育ったノエル・サントスさん。開店資金はクラウドファンディングで集めた。各メディアが報じた。
 ニューヨーク市では1990年代、B&Nが支店網を伸ばし、独立系書店を駆逐。ネット通販大手のアマゾンの隆盛とともに、B&Nも次々と閉店した。5年前にブロンクス店の閉鎖が発表された際にはウェブサイトで継続を求める署名運動も行われたが、3年前にシャッターを下ろした。
 ニューヨークタイムズによると、サントスさんは当時マンハッタン区で働いていたが、ブロンクス区が「携帯電話のチェーン店ばかりになっていく」ことに心を痛め、自ら独立系書店を立ち上げることを決意したという。サントスさんは独立系書店で働きながら書店経営の知識を身に付け準備。クラウドファンディングで「ブロンクスに書店を」と呼び掛けると、17万ドル(約2000万円)が集まったという。
 今回開業した店があるモットヘブンは、住民の43%が連邦の貧困ライン以下と、市内でも有数の貧困地帯。「ここから離れるほど成功の証だと考えていた自分が恥ずかしい」とサントスさん。同店を「知性がキラリと光る場所」にしたいと意欲を燃やしている。

www.thelitbar.com

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