受注ネタ満載の日刊紙 NY市発行「ザ・シティー・レコード」

 ニューヨーク市が発行する日刊紙「ザ・シティー・レコード」をご存知だろうか。市民のほとんどが、その存在さえも知らない。しかし市職員や市の仕事の請け負いを希望する業者にとっては不可欠な存在だそうだ。ニューヨークタイムズが4月27日、報じた。
 記事によると、ザ・シティー・レコードは1873年創刊。ベテラン編集者のエリ・ブラックマンさん(66)ら、市全域行政サービス局の職員が発行している。日によって16ページから100ページと幅があり、広告や一般的なニュースは全く掲載せず、写真やカラーのページもない。それでもブラックマンさんが同紙のことを「市と仕事をするためのバイブル」と胸を張るのは、市職員だけでなく、市の仕事を探す人にとって有益な情報が満載だからだ。
 市の営業日は毎日、100以上の市の機関による公聴会や会議、不動産物件の競売、市機関の規定、人事異動、公共事業の発注などについての情報を掲載。また、修理を必要とする市機関や市営住宅などの情報も並ぶ。
 最近では、蚊の幼虫駆除剤散布ヘリコプターを市保健局が405万4286ドルで購入したことや、市消防局が即応消防ボートを求めていることなどを紹介。他にも、ユニバーシティハイツ橋の塗装請負業者の募集やクイーンズパークでのプロテニス選手の募集情報なども掲載されている。ウェブサイト(www.a856-cityrecord.nyc.gov)から閲覧できる。一度、のぞいてみてはどうだろうか。