地下鉄でホームレス関連の事件増加 昨年同期比1.5倍、8割で遅延招く

 ニューヨーク市の地下鉄駅構内や車両内で今年1月から3月までに発生したホームレス関連の事件が昨年同期比で1.5倍に増えていた。ニューヨークポストが11日、報じた。
 ニューヨーク都市交通局(MTA)のデータによると、MTAが地下鉄駅構内や車両内で今年1月から3月の間に確認した事件のうち、ホームレス関連のものは371件。乗客への威圧行為や、駅構内や車両内での排せつなどが含まれ、このうち84%が遅延を招いていた。昨年の第1四半期は245件だった。昨年1年間にMTAに報告されたホームレス関連事件の数はここ10年で3倍に増加しており、昨年は659件に達していた。
 同紙が市ホームレス事業局のデータとして報じたところによると、シェルターに入居していないホームレスは市内で約3600人。1月の調査で、そのうち61%が地下鉄駅構内や車両内で暮らしている。MTAとNYPDは、こうしたホームレスがシェルターに入ることに合意すれば、通行人への物乞いなど軽微な違反による召喚状の発行を免除することを検討しているという。
 MTAや市はまた、地下鉄でのホームレス被害が大きい地域に補助金を出し、問題解決に当たらせている。マンハッタン区のバワリー住民評議会には毎年900万ドル(約9億7600万円)を支払っているという。