カラバッジオの名画、NYの富豪が購入 100億円以上の価値、競売直前に

 バロック期のイタリアの画家、カラバッジオの名画「ホロフェルネスの首を切るユディト」(1607年ごろ)をこのほど、ニューヨーク市の富豪が購入していたことが分かった。6月27日にフランスで競売が予定されていたが、その2日前にフランス国外から購入者が現れたとして競売が中止、購入者に注目が集まっていた。各メディアが同日、報じた。
 購入したのは米投資ファンド大手、ブラックストーンの元副会長、J・トミルソン・ヒル氏。フランスの競売会社、マルク・ラバルブが明かした。
 この絵はユダヤ系未亡人のユディトがアッシリアのホロフェルネス司令官を誘惑して寝首をかき、町を守るという旧約聖書の物語が題材。長い間行方が分からず、「失われた傑作」と呼ばれていた。2014年、フランス南西部、トゥールーズ近郊の住宅の屋根裏で見つかった。専門家のエリック・テュルカン氏はAFP通信の取材に、1億ユーロから1億5000万ユーロ(約120億から180億円)の価値があると話している。
 報道によるとヒル氏は絵画収集家としても知られ、マンハッタン区のメトロポリタン美術館(MET)の理事を務める。ヒル氏はこの絵をMETなど主要美術館に貸し出す意向だという。

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