ペンステに集まる「麻薬難民」 麻薬取引や医療サービス求め全米から

 マンハッタン区ペンステーションなどニューヨーク市内の交通主要駅に、全米各地からオピオイド系鎮痛剤などの薬物中毒者が集まっている。ニューヨークタイムズが16日、レポートした。
 毎日、60万人の通勤客や旅行客でにぎわうペンステーション。同紙は同駅近くの路上で、麻薬を求めてうろついたり、金をせびったりするホームレスの姿が目立つと伝える。ミッドタウンのポートオーソリティー・バス・ターミナルやクイーンズ区のジャマイカ駅などでも同様だという。非営利団体、ニューヨーク・ハーム・リダクション・エデュケーターズのディミトリ・ムギアニス弁護士はこうした人々を「麻薬難民」と呼ぶ。麻薬取引目当ての人もいれば、依存症への理解や治療、注射器交換などのサービスを求める人もいる。全米各地から集まるそうだ。
 ノースカロライナ州出身のレベッカ・コンクリンさん(40)は2年ほど前、夫と一緒に鎮痛剤依存症の治療を求めて移住。「ニューヨークに行けば助けてもらえると聞いた」と同紙に話した。「妊娠3カ月でホームレス」と書いた紙を掲げるグレース・コーエンさん(19)は昨年秋、交際相手と共にやって来た。オピオイド系鎮痛剤に依存した過去があり「ここには私たちが求めるサービスがそろっている」と、近くのシェルターへの入居を申し込んだ。