議会に合成オピオイド類似品の禁止訴え NY市麻薬当局「取り締まりに大きな障害」

 ニューヨーク市警察(NYPD)および市特別麻薬検察局は23日、マンハッタン区ローワーマンハッタンのNYPD本部で行われた会見で、規制の対象となっていない合成オピオイドの類似品の禁止を求め、ニューヨーク州議会に呼び掛けた。ウォール・ストリート・ジャーナルが同日、報じた。
 NYPDによると市では2017年以降、合成オピオイド「フェンタニル」の類似品の過剰摂取により、900人以上が死亡している。
 これらの類似品は、ヘロインの50倍の効果がある強力な鎮痛剤フェンタニルと同様に中毒性が高く、過剰摂取すれば死に至る極めて有害な薬品。しかし、フェンタニルを規制する現行の同州法は、薬品に含まれる化学成分を該当要件とするため、成分がわずかに異なる類似品を規制することができない。NYPDによると類似品は主に中国で製造され、インターネット上で販売されているという。
 ブリジッド・ブレナン特別麻薬検察官によると、17年以降に市で起きた薬物過剰摂取死のうち数百件が、14種類のフェンタニルの類似品によるものだった。そのうち同州法により禁止されていたのは、2種類だけだったという。
 薬品が規制対象外であれば、警察や検察はその販売や使用を取り締まることができない。
 ブレナン氏は「次々と新たな類似品が広まる一方で、われわれの取り締まりには大きな障害がある」と訴えた。
 連邦法では既に、このような類似品を禁止する法が制定されている。

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