洗脳し売春強要、被害1億円以上 名門校舞台に人身売買の父親を逮捕

 ニューヨーク州南部地区連邦検事局と連邦捜査局(FBI)、ニューヨーク市警察(NYPD)は11日、ローレンス・V・レイ被告(60)を、恐喝および性的人身売買、強制労働、旅行法違反、資金洗浄などの容疑で逮捕、起訴した。各メディアが同日、報じた。
 訴状よるとレイ被告は2010年後半、親権紛争に関する罪で服役していた刑務所から出所して間もなく、ウエストチェスター郡ヨンカースにある名門校、サラ・ローレンス大学生だった娘が暮らしていた寮に転居。娘のルームメイトに言葉巧みに近づき、女子学生らの「問題」を解決すると称し「セラピーセッション」を開始。女子学生らを洗脳し、器物破損や、同被告を毒殺しようとしたなど虚偽の自白を強要し、その自白を材料に少なくとも5人から「損害の代償」として約100万ドル(約1億1000万円)を支払わせていた。
 家族の貯金に手をつけさせ、不動産も売却させて同被告に「弁償」するよう命じ、金策が尽きると売春を強要。ノースキャロライナ州の同被告の家族の家で無償の労働を強制された者もいた。女子学生から騙し取った金銭はネットビジネスを通して洗浄していたという。
 レイ被告は、2018年までの8年間、カルトリーダーのようにふるまい、女子学生らを性的および心理的に操作。被害者の中には両親から遠ざけられていた者もいた。同被告に対する捜査は、ニューヨークマガジンが19年4月号に掲載した記事「サラ・ローレンスの盗まれた子どもたち」が引き金となって開始された。

The United State Attorney’s Office Southern District of
New York

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