執刀医が手術放棄か 移植手術後に下半身麻痺

  臓器の移植手術を受けた男性の下半身が術後に麻痺した理由が、手術を執刀した医師が起こした訴訟より、このほど明らかになった。ウォール・ストリート・ジャーナルが13日、報じた。
 オマール・スペンサーさん(37)は2018年12月、膵臓と腎臓の移植手術を受けるため、ブルックリン区のダウンステート医療センターに入院。退院してから13カ月後に血液検査で異常が見つかり再び同センターに入院、緊急手術を受けた。しかし、間もなく腰から下が麻痺し、現在はブロンクス区のリハビリ施設に入所している。
 手術を担当した同センターのジョン・レンツ医師によると、緊急手術中に担当医が手術を放棄。別の医師が連れて来られるも手術を続けられなかった。当時、州外にいたレンツ医師と元外科部長のレイナー・グルースナー医師が呼び出され、ようやく手術を終えたという。 
 その後、レンツ医師とグレースナー医師は、同センターの幹部に一部始終を報告。レンツ医師はその後、解雇を命じられという。グルースナ―医師も外科部長の地位をはく奪されたとして2人は同センターを提訴。スペンサーさんも近いうちに同センターを相手取り賠償金を求めて提訴する予定だという。