マジソン街店頭に生きたマネキン 「いないと心配になる」人気者

 マンハッタン区ミッドタウン、マジソン街にあるビジネスシューズ専門店ウルフ・アンド・シェパードのショーウインドーに昨年11月から生きたマネキンが登場し話題になっている。ウォール・ストリート・ジャーナルが8日、報じた。
 ショーウインドーの中でトレッドミルを使っているのは、同区ハーレム在住のモデルで起業家のヨバン・コリンズさん(32)。夕方のラッシュアワーに2時間、3マイル(約4.8キロメートル)歩く。ブリーフケースを持ち、雨の日には傘を、バレンタインズデーには花束とチョコレートの箱を持つなどの演出も。通勤で長時間歩いても快適な同店の靴を宣伝するコリンズさんは「ミスターカンファタブル」と呼ばれている。
ウルフ・アンド・シェパードは、元陸上選手のジャスティン・シュナイダーさんが2014年にフロリダ州で立ち上げた。マンハッタン区とカリフォルニア州ロサンゼルス市に旗艦店を持つ。
 生きたマネキンは過去にも例がある。1995年までブルックリン区にあった百貨店、エイブラハム&ストラウスも70年代初めに採用した。コロンビア大学経営大学院で小売業を教えるマーク・コーエンさんは「子どもだまし」と効果に懐疑的だ。それでも人気は上々。「最初は人形かと思った。目と目があって微笑んできたのには驚いた」と宝石商のロン・タネンバウムさん。会社員のロード・アルカニさんは「いないとどうしたのかと心配になる」のだという。