「ホームの端は危険」「恐怖心でいっぱい」 NY地下鉄内や駅構内で暴力事件相次ぐ

 ニューヨーク市の地下鉄内や駅構内で、暴力事件が相次いでいる。ニューヨークタイムズが20日、報じた。

 俳優のアレックス・ワイスマンさん(33)は17日午後2時ごろ、マンハッタン区アッパーウエストサイドから乗った地下鉄内で、男に顔面を2回殴られた。男は逃走。 ワイスマンさんは「なすすべがなかった。恐怖心でいっぱいだ」と振り返る。同区ユニオンスクエア駅では19日午前8時30分ごろ、ホームレスがホームで待っていた女性を線路に突き落としたところに地下鉄が入ってきた。女性はひれ伏して、難を逃れた。暴行だけでなく、レイプ、殺人、強盗といった凶悪犯罪は、昨年に比べて増加している。SNSには監視カメラの映像や目撃者などによる関連ビデオが複数投稿されている。

 ニューヨーク州都市交通局(MT)は、ニューヨーク市警察(NYPD)が制服警察官を派遣しないと批判。精神障害者が地下鉄内で寝泊まりしていることから、市の対策も不十分だと指摘する。これに対し、NYPDは、70〜80年代に比べれば、格段に安全と反論。市の スティーブン・バンクス社会福祉局長も「地下鉄からホームレス600人をシェルターに移送した」と胸を張る。

 利用者は納得していない。ブルックリン区の地下鉄構内でL線を待つセナンス・ジョンソンさん(37)は、「ホームの端に立つのは危険。いつ突き落とされるかわからない」と話している。

ホームの奥に立って地下鉄を待つ人たち。21日午後、マンハッタン区デランシー駅で撮影(Photo: Yurika Fukagwa / 本紙)

>>> 最新のニュース一覧はこちら <<<

タグ :