警察に自然科学の視点求める

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共同通信
旭日中綬章受章が決まり、喜びを語る自然人類学者の長谷川真理子さん

 自然人類学者としての人の本性に迫る研究が評価され、国家公安委員を2期10年務めた長谷川真理子さん(70)。29日付の旭日中綬章の報に「現場はとても真摯。ただ保守的なところがある組織で、自然科学の視点を取り入れるよう文句も言った」と笑う。

 幼少期から自然の美しさに引かれ、科学者を志した。進化という切り口から多様な動物を研究したが「たどり着いたのは人間。社会や経済との関わりも含め、人間を全体的に捉えたいと思うようになった」

 公安委員になり「犯罪を社会の問題として理解しようとした」。事故や犯罪の統計を使い、どのような集団に働きかけることが最も抑止に効果的か検討することを求めたという。