9月2日 編集後記 “Labor Day。新学年度開始。ビジネス的には、今年も残り3カ月。”





9月2日 編集後記

“Labor Day。新学年度開始。
ビジネス的には、今年も残り3カ月。




編集部が気になった1週間の出来事

市内で珍鳥がウォッチできる 地球温暖化が理由で警戒必要
カリブ海や南米の生息種がニューヨークで見られること自体は嬉しい反面、温暖化や山火事の影響の大きさを感じ、複雑な気持ちに。(編集部 I)

米主要都市でヘイト犯罪が激増 NY市はアジア系ヘイトなどで6位の増加率
楽しい催しが多い季節。出歩くことが多いが、大人数が参加するイベントは極力避けるなど危険な場面に出会わないよう気をつけたい。(編集部 Y)

市の老朽化した水道管、設置から百年以上 タイムズスクエアの破裂で浮き彫りに
こんなにも古い水道管があることに驚いた。断水などの被害が出る前に交換を進めて欲しい。(編集部 W)

 

編集後記   “Labor Day。新学年度開始。ビジネス的には、今年も残り3カ月。”

皆さん、一週間お疲れさまでした。来週月曜日はLabor Dayということで、夏休みも終わり、いよいよ新学年度が始まりますね。ビジネス的には、ほぼ11月末のThanksgivingで終わるので、今年もあと3か月かと思うと、身が引き締まる思いです。そんななか、今週は学校に関するニュースが多かったですが、それらにも最近の社会状況が反映されているように思いました。

金曜日には、“移民の児童・生徒と共に新学年開始へ”ということで、移民問題が学校に与える影響をとり上げました。ニューヨーク市(NYC)の公立学校生徒数は約100万人なのですが、そこに約2%にあたる1万9千人もの移民学生が加わるということで、学校運営における影響も大きいと思います。そのような状況においても、「出身地や家庭で話す言語に関係なく、NYCの公立学校に通う全生徒の教育や幸福、そして全人的な成長に焦点を当てていることに変わりはない」と述べる教育局の姿勢も、さすがNYという印象を受けました。

火曜日には、“スクールバスのストにどう備える?”という記事があり、来週からのストに備えて、NY市側が地下鉄、バスなどの公共交通機関からUberにいたるまでの、通学代替手段提供を発表しました。

アメリカのストライキは、労働組合自体が低迷(現在の参加率は、約10.1%)していることもあり、1990年以降減少を続けており、2008年以降は年間200件にも満たない水準でした。それが、昨年は2005年以来300件を超、今年も半年で180件弱と勢いを増しています。現在の歴史的な低失業率と人材不足を背景(「ビザなし越境者に早く就労許可を!」という記事も金曜にあったぐらいですし。)に、コロナ後のインフレに対応した賃金上昇を求めるというのが、ストの主な背景ですが、テックの進化による将来への懸念というのも大きな要因であるように思います。

100日を超えたハリウッドの脚本家や俳優によるストでは、脚本・映画作成におけるAIの活用による影響が、争点になっています。また、今後に関しては、自動車産業における労組(UAW)のストが、9月14日の交渉期限を控えて、注目されますが、こちらは電気自動車の普及により、今後の自動車産業従事者が大きく削減されるという懸念も背景にあります。ちなみに、UAWでは、今後4年間で40%の賃上げを中心に、年金や退職金、労働時間短縮など様々な要求が盛り込まれており、すべてが受け入れられると時給が現在の$64から$150になるそうです。。。

一方で、金曜日の雇用統計にみられるように、FEDの急激な利上げの影響もあり、インフレの低下とともに、雇用市場も落ち着いてきています。リクルーターの景況感悪化や、“Reassignment (quiet cutting)”なども取り上げはじめられていますので、今後の景気、インフレが、どのように労働環境、ストに影響を与えるかも今後注目されます。

新学期を前に皆さんもお忙しい一週間だったとは思いますが、夏の締めくくりとして、この三連休はBBQでもしながら、のんびりとすごされるのはいかがでしょうか。

ではよい週末をお過ごしください。

代表 武田秀俊


今週の1枚

登り切るのは大変。人生とはそんなもの。
@Acadia National Park in Maine


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