韓国元最高裁長官に無罪

Published by
共同通信
無罪判決を受けた後、ソウル中央地裁を出る韓国の元最高裁長官、梁承泰被告=26日(聯合=共同)

 【ソウル共同】韓国のソウル中央地裁は26日、日韓関係の悪化を懸念した朴槿恵政権(2013~17年)の意向を受けて元徴用工訴訟の最高裁判決を遅らせたとして職権乱用などの罪に問われた元最高裁長官、梁承泰被告(76)に、無罪を言い渡した。韓国メディアが報じた。

 司法と政権の癒着が疑われ、最高裁長官経験者が初めて起訴された事件で、約5年に及ぶ長期審理を経た判断が注目されていた。検察側は「裁判に介入し、裁判官の道理を毀損した」として懲役7年を求刑し、梁被告は一貫して否認していた。

 梁被告は11~17年に最高裁長官を務めた。日本企業に賠償を命じた元徴用工訴訟を巡っては、原告勝訴の二審判決を不服とした日本企業が13年に上告した後、最高裁は文在寅前政権下の18年まで結論を出さなかった。18年の最高裁判決で日本企業の敗訴が初めて確定し、日韓関係が冷え込んだ。

 検察側は、最高裁が朴政権の意向をくんで判決の遅延や二審判決破棄に向けた工作を行い、梁被告が一連の事件を主導したと主張していた。