立ち入り検査で管理体制確認

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共同通信
小林製薬の「紅こうじ」を使ったサプリメントを巡る健康被害問題で、原料を製造していた同社大阪工場へ立ち入り検査に向かう厚労省の担当者ら=30日午前、大阪市

 小林製薬の「紅こうじ」を使ったサプリメントを巡る健康被害問題で、厚生労働省と大阪市は30日午後、同社大阪工場への立ち入り検査を終えた。原因物質として取り沙汰される青カビ由来の天然化合物「プベルル酸」が工場で混入したり生成されたりした可能性を踏まえ、サプリの製造過程や衛生管理体制を確認。原因究明を本格化させる。

 サプリの原料を製造していた大阪工場は、施設の老朽化を理由に昨年12月で閉鎖された。機能は和歌山県の工場に移転。市は当初、立ち入り検査に消極的だったが、死亡者の増加や国内外の影響拡大を踏まえて方針を転換した。

 検査は約4時間半実施。現地で対応した小林製薬の山下健司製造本部長は記者団に「多大なるご迷惑とご不安をおかけし、誠に申し訳ありません」と謝罪した一方、検査の詳細は明らかにしなかった。

 小林製薬はサプリを摂取したとみられる5人目の死者を発表した29日の記者会見で、健康被害の原因としてプベルル酸が影響した可能性に言及。衛生管理については「徹底していた」と強調した。