ニューヨーク補習授業校

 

ニューヨーク補習授業校

 

ニューヨーク補習授業校は1962年に設立され、世界の補習授業校の中で2番目に歴史のある学校である。統廃合をくり返し、現在はウェストチェスター校(W校)とロングアイランド校(LI校)の2校となっている。

 「日本文化を身につけた個性豊かな人間の育成」、「広く物事を考えて自ら実践する人間の育成」の2点を教育目標に掲げ、幼児部年中から高等部2年までの一貫教育機関である。日本から校長・教頭が派遣され、文部科学省の学習指導要領に準拠した独自の基底カリキュラムで学習指導を行ない、W校はポートチェスター、LI校はベイサイドにある借用校で毎週土曜日に授業を実践している。

学校生活では、現地校での生活が長い子どもと日本から編入する子どもの交流があり、授業での意見交換、情報交換等、日本語で会話をしてお互いに影響を受け、向上している。授業内容には日本文化の知識を深める工夫がされており、書き初め、節分、百人一首、七夕行事等を取り入れている。また行事の開催にも積極的で、運動会、のみの市、秋祭り、もちつき大会など保護者の協力のもと、全校生徒が一丸となって取り組んでいる。中・高等部では、生徒会を中心とした球技大会、募金活動を含めたバザー、レクリエーション活動等がある。

そのほか、作文・硬筆・絵画コンクールやスピーチ大会、音読発表等、日本語で表現し、伝える力や自己表現を発揮できる機会も多く、幼児部から中高等部まで縦の交流が活発に行われている。

補習校の特色は、子ども達がお互いのよさや違いを認め合い、自分の得意分野で助け合う中で授業や行事を通じて日本文化等いろいろな体験ができることだと考えている。そのため、教職員と保護者会が緊密に連携を取り合い、教育環境の創意工夫に日々努めている。

 

2023 W校 のみの市(中高等部・幼児部)交流
2023 LI校 読み聞かせ(初等部)

 

在校生より


W校 生徒会会長 長谷 杏吏

僕は、ニューヨーク生まれ、ニューヨーク育ちで、補習校には幼児部年長から在籍しています。つまり、今年度で在籍12年になります。日本人家庭なので、普段、家族とは日本語で話しています。

補習校の良さは、日本語で受ける各教科の学びだけでなく、季節ごとに行われる催しを通して、アメリカに居ながら日本文化の良さを感じることができることです。運動会や、書き初め、餅つきなど、また中高生になると百人一首大会などの日本の伝統文化に触れることができます。二か国語で学ぶ楽しさや苦労を分かち合える友人に、巡り会えるのも補習校の良さの一つです。もちろん、二か国語を学ぶので、日々の苦労は絶えませんし、学年が上がるごとに、スポーツなど現地校とのスケジュール管理も大変になってきます。

僕は、これまで現地校や地域活動などで、日本語の通訳をしたり、日本文化の紹介などのイベントに携わってきましたが、補習校での経験が大きく役立っているように思います。僕たちが生きていくこれからの世の中は、『バイリンガル』は、当たり前の時代なので、アメリカで日本語の教育を受けることは、将来への可能性にきっと繋がっていると、僕は信じています。

 


LI校 高等部二年 髙橋勇登

米国生まれで、補習校は初等部1年から現在まで10年間在籍しています。補習校と家庭では日本語、現地校は英語で、外国語はスペイン語を選択しています。小学校6年間は毎年夏に約3週間、日本の小学校に体験入学していました。補習校では、日本文化を肌で感じられる様々なイベントがあるのが大きな魅力で、海外では貴重な経験だと思います。僕が一番楽しみにしているのは運動会で、全学年の選抜選手がバトンをつないで走る紅白リレーは毎年一番盛り上がります。

補習校での経験では役立つことがたくさんあります。その一つが漢字検定で、毎年受けていたおかげで、日本語の本を読むのに苦労することはありません。その他、僕は早生まれなので、現地校よりも先に補習校で算数を習えたことも良かったです。現地校と補習校で算数の解き方が違ったので、答えに辿り着くまでの方法は色々あるのだと知り、考え方の視野が広がりました。とはいえ、2つの学校の両立は、限られた時間の中で、現地校の宿題やテスト勉強、補習校の課題にあてる時間を作ることなど、タイムマネージメントに苦労しました。

現在は、スポーツなど他の課外活動も含めて優先順位をつけて取り組むなど、工夫しながら日々前向きに取り組んでいます。

補習校に通うと、日本語の上達は勿論ですが、一番のメリットは仲間との出会いや絆だと思います。日本人という共通のバックグラウンドを持つ同じような生徒と出会えること、そして長年一緒に過ごして築いた絆は、他では得られない人生の財産だと思います。

 

保護者会 会長より


W校保護者会長 西田優芽

W校保護者会長 西田優芽

補習校は、授業や行事を通して、子ども達の日本語の理解と表現力強化に繋がっています。在米年数が長い子ども達の場合、日本語を話すことは比較的容易だと思いますが、他者の言葉を理解し、自分の言葉に変換することが苦手とする子も一定数見受けられます。

日本語を日常的に使いこなすためには、基礎的な国語力が必要です。私たち保護者の役割は、その学習環境を提供することだと考えております。
保護者会への参加は、保護者や子ども達が育つ環境をそれぞれが理解する重要な場と考えています。同時に、現地校の情報を得るためにも役立っています。他の生徒から得た現地の情報は、保護者が家庭の教育環境を整えるための重要な情報源となっています。新たな視点を得ることで、自らの視野が広がり、自分自身の成長と理解を深めることができます。


LI校保護者会長 鹿島 香

LI校保護者会長 鹿島 香

補習校は日本語で勉強や会話をする時間を確保できるので、普段家庭では使わない日本語の範囲が広がり語彙が増えます。授業以外でも、運動会・秋祭り・餅つきなどの日本の文化継承行事の体験ができるのは、語学だけを学ぶ語学学校とは違う大きなメリットです。

そして何よりも日本と米国の言語と文化を共有できる友達と出会えることが補習校の魅力です。LI校の生徒は米国に永住しているご家庭の子ども達が多く、東はロングアイランドのコマックから南はブルックリン、そして西はスタッタンアイランドと、広い範囲から通学されています。幼児部年中から高等部2年までの13年間を一緒に過ごし、幼・初等部に通う子ども達は放課後にクラブ活動をしたり、公園で遊ぶなど多くの時間を共有し、補習校コミュニティを確
立していきます。長い年月をかけ日本語の学びを共に深めていくため、皆が家族のような存在となっていきます。

それらのサポート役となるのが、保護者の皆さんです。各行事のお手伝いボランティアを通して、縦の繋がりが築かれ、日本語の勉強の仕方、現地校の勉強や習い事の話など、先輩からの貴重な成功と失敗を含んだ経験談を聞くことができます。ボランティアは大変だというイメージがありがちですが、実際に参加してみると子ども達と一緒に楽しもうというワクワクした気持ちになっている保護者が集まっているLI補習校です。

 

ニューヨーク補習授業校
Tel 914-636-3770(事務局)
56 Harrison St, Suite 503, New Rochelle, NY 10801
https://www.jwsny.org/

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