ニューヨークのアダムズ市長は8日、ミッドタウンの5番街を歩行者優先に改修する計画に1億5270万ドルを投じると発表した。同日、ゴッサミストが伝えた。

この10月に発表された計画によると、対象は5番街のブライアントパークからセントラルパークまで。歩道を46%拡張し、車道を5車線から3車線に削減する。歩行者数は現在、ピーク時で1時間に2万3000人。再設計により歩行者用スペースは2倍に広がり、横断距離は3分の1に短縮される。さらに街路樹230本を新たに植え、2万平方フィート分のプランターを設置。椅子や明るさも改善して、パリのシャンゼリゼ通りに比肩する美しい街並みを目指す。
改修の目的は経済開発。対象区域では31万3000人が働き、440億ドルの賃金を捻出しているとされる。「5番街は過去200年、そしてこれからも常にニューヨークの経済的なエンジンであり続ける」とアダムズ氏。「次の200年のために、5番街にハイオクガソリンを注入する」と続けた。
不動産業者や小売業者で構成する「5番街協会」のマデリン・ウイルス暫定会長も「ホリデーシーズンになると、5番街では歩行者が車道にはみ出す状況にある」と指摘。この改修でニューヨークの象徴的な5番街は「古くてごみごみした通りから、歩行者に優しく緑あふれる美しい通りに生まれ変わる」と期待を込める。
一方で、バス専用レーンが削減されること、自転車専用レーンが設置されないことなどから批判の声も上がっている。改修計画は地下のケーブルや下水道などのインフラ整備も含む大掛かりなもの。総予算は3億5000万ドル。その半分近くを拠出する市は「固定資産税や消費税が増加することから、5年以内に回収できる」とそろばんをはじく。設計が最終的に完成するのが2025年。工事開始はその後になる。
編集部のつぶやき 「5番街も変わらなきゃ!」
パリのシャンゼリゼ、ミラノのモンテナポレオーネ通り、ニューヨークのマディソンアベニューと並んでかつての5番街は、高級ブランドショップがひしめき合う通りでしたが(それはそれはおしゃれな髙島屋ニューヨークもありました)、いつの間にか大衆化が進んでしまったように感じます。歩行者天国でにぎわう東京の銀座通りのように、歩行者優先のリニューアルでどんな科学変化が起きるのか、楽しみです。(AK)
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