2025年1月22日 NEWS DAILY CONTENTS

聖域都市のニューヨーク、揺らぐ地位 アダムズ市長、法改正に意欲示す 

アメリカ国内の「聖域都市」(map: Burzum / https://commons.wikimedia.org/wiki/User:Burzum)

 不法移民に対し寛大な施策をとる「聖域都市」と位置付けられたニューヨークの地位は、時代とともに変化してきた。ここ数年、大量の移民が流入してきたものの、「聖域法」に基づき、強制送還することなく受け入れてきた。しかしながら、移民の強制送還を強く訴えるトランプ大統領の就任によって、その地位は揺らぎ始めており、変化する可能性が十分にある。ニューヨーク・タイムズが17日、伝えた。

民主党は長年、聖域法を支持。これに対し、トランプ氏と共和党は、聖域法が犯罪を助長し、全米の都市の治安悪化を招いていると唱えている。ニューヨークの不法移民は40万人以上とみられる。アダムズ市長は、強制送還に向けて連邦政府と緊密に協力できることを目指し、聖域法の改正に意欲的だ。ただ、多くの民主党議員はアダムズ氏の姿勢に反対している。

アダムズ氏は、聖域法の範囲を拡大したデ・ブラシオ前市長は「行き過ぎだった」と主張。有罪判決を受けていなくても、犯罪の嫌疑をかけられた移民を引き渡すことが必要との認識を示している。さらに、罪を犯した不法移民に対し、合衆国憲法が定めた適正手続き権を適用するべきではないとの見解も示唆。反対の民主党議員が多数を占める市議会ではなく、行政権の行使によって法律変更を実現する手立てを模索している。

編集部のつぶやき

このアダムズ市長、キング牧師デーの式典を欠席して大統領の就任式に出席。先週は、マー・ア・ラゴに“トランプ詣”。連邦汚職容疑で起訴されている身としては、喉から手が出るほど「恩赦」が欲しいのでしょう(てゆーか公言してるし)。重罪34件で有罪になった人間が、賄賂や詐欺、選挙法違反で起訴されている人間を恩赦する(かも?)という、シュールな世界が…。(AK)

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