今年に入り、アメリカやカナダで航空機事故が相次いでいる。17日には、カナダのトロント・ピアソン国際空港でデルタ航空の旅客機が着陸に失敗して横転し、死者は出なかったものの乗客18人が負傷した。「空の安全」に対する信頼が揺らいでいることは疑いようがなく、米航空規制当局に対する批判が渦巻き、利用者の間には不安が広がっている。ニューヨーク・タイムズは17日、2025年に重ねて起きた事故をまとめた上で、改めて安全に対する意識醸成を指摘している。

首都・ワシントン上空で1月29日夜に起きた衝突事故は、世界に衝撃が広がった。レーガン・ナショナル空港に向けて着陸姿勢を取っていたアメリカン航空機に対し、訓練任務に就いていた陸軍ヘリコプターが衝突。航空機のボンバルディアCRJ700乗客64人、陸軍UH-60ブラックホーク・ヘリコプターの3人、計67人の全員が死亡するという痛ましい結果となり、全米において過去20年間で最悪の航空事故となった。ヘリコプターと飛行機の飛行経路の他、空港の航空管制人員の配置と事故との関連などについて、調査が進められている。
その2日後の1月31日、フィラデルフィア北東部で小型医療機が離陸後1分で地面に激突。炎上し、乗客6人全員と地上にいた1人が死亡した。さらに2月6日には、10人を乗せアラスカに向かっていた小型旅客機が消息を絶った。翌日、全員の遺体が発見された。
編集部のつぶやき
ワシントン上空での衝突事故について、国家運輸安全委員会は衝突事故の原因をまだ特定していませんが、事故発生当日の夜、空港の航空管制官の人数は通常よりも少なかったと報告されています。航空機事故が多発しているにもかかわらず先週金曜、トランプ政権は連邦航空局(FAA)の職員数百人に解雇を通達しました。もちろんマスク氏が主導する政府効率化局(DOGE)の経費削減策の一環です。BBCの報道によると、解雇される職員にはシステム専門家、安全検査官、整備士、事務職員などが含まれているとのこと。FAA関係者は「既に人員不足に悩まされている」とし、これ以上の人員カットは「国民の信頼を脅かし、将来の事故発生の可能性を高める」と危機感をあらわにしています。(A.K.)
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