3月23日【気になったニュース】学問の自由と大学自治はいずこへ???

月曜日のSt. Partick’s Dayにおける五番街でのパレード。マンハッタンもIrishカラーの緑に染まりました。早くJapan Parade(今年は5月10日!)もこれほどの規模になれれば。。。ちなみにJapanの色は?色ではなく着物?羽織袴?
皆さん、一週間お疲れさまでした。3月も残るところ10日あまりとなりました。日本人学校での卒業式も終わり、4月1日からの新年度に向けて、帰任・赴任など”新天地での準備“に忙しくされている方々も多いことと思います。桜開花に関する声も日本から聞こえ、やはりこの時期は、日本人としては気持ちがリフレッシュしますね。
今週、日本の学校が新年度に備えている時に、こちらの教育界には衝撃が走りました。まずは、20日木曜日、トランプ大統領が教育省を段階的に廃止する方針を示す大統領令に署名しました。これは1979年に設立された教育省の役割を見直し、その業務を他の省庁に移管することで、教育の主導権を連邦から州や地方自治体に戻すことを狙ったものです。この方針により、例えば学生ローンの管理業務(現在4,500万人が対象)は中小企業庁(SBA)に、特別支援教育や給食支援などは保健福祉省(HHS)に移される予定です。この政策は、トランプ氏が選挙から訴えていた「ワシントンではなく、地元が教育を決めるべきだ」という主張を実行に移したものですが、低所得層への支援や教育格差是正に対する連邦の役割が失われることを危惧する意見が出ています。
また、コロンビア大学では、同大学で行われた親パレスチナ系の学生デモが“反ユダヤ的”とみなされ、政権側が「反米的な言論を助長する大学に税金を使うべきではない」と判断したことにより、今月7日同大学への$400Mあまりの連邦研究資金の一時凍結されていました。これを受け、21日金曜日、大学側は対応方針を見直し、秩序維持と差別防止の姿勢を強調する声明を発表。その結果、この資金は再開しましたが、連邦政府が政治的立場を理由に資金を差し止めるという前例は、全米の大学に緊張をもたらしています。
政権による方針変更や資金凍結は、他の大学にも直接的な影響を与えています。カリフォルニア大学システムは、連邦からの資金削減に備えて採用凍結を発表するとともに、採用時の多様性・公平性・包括性(DEI)に対する遵守を廃止しました。同様に、ハーバード大学とマサチューセッツ工科大学(MIT)も、教職員の新規採用を凍結しました。
政権は、①研究助成金の凍結・停止、②連邦学生支援制度への制限、③国防・医療・AIなどの共同研究契約の見直し、④大学基金などへの課税拡大検討などの“財源”を通じて大学に圧力を高めています。特に、研究助成金の停止は、医学・科学・社会調査など多岐にわたり、大学の研究活動に直結します。これらにより、多くの大学が資金維持のために、抗議活動や教職員の発言により厳しいガイドラインを設けはじめています。
アメリカの大学は、自由な言論と研究の場として、世界から優秀な人材を集める形で、世界をリードしてきましたが、それゆえにDEIをはじめとして、その選考基準は逆差別を含めて、議論を呼んできました。(最近では、2023年の「人種を考慮した入学選考は違憲」という米連邦最高裁の判決が記憶に新しいと思います。)ただし、ここまで露骨な政権の介入はなかった(少なくともアメリカでは。。。)ので、大学と政権の関係は新たなステージに入ったと思います。日本でも、明治維新以降浸透してきた“学問の自由”が大正デモクラシー後には、大きく侵害されるようになったという歴史もありますし、他の国も含めて、“学問の自由”が侵害し始めると、世の中が窮屈になってきますよね。。。
では引き続きよい週末をお過ごしください。
代表 武田 秀俊
今週の1枚

マンハッタンもIrishカラーの緑に染まりました。
早くJapan Parade(今年は5月10日!)もこれほどの規模になれれば。。。
ちなみにJapanの色は?色ではなく着物?羽織袴?
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