2025年4月16日 NEWS DAILY CONTENTS

NY市のアスベスト使用校82% 必要な検査受けず、会計監査官が指摘

ニューヨーク市教育局(DOE)は、過去3年間にわたりアスベスト使用校の82%の検査を行なっておらず、米教育省の「石綿障害緊急事態対応法」に準拠していないことが判明した。今週発表されたブラッド・ランダー会計監査官の報告書で明らかになった。ゴッサミストが10日、伝えた。

写真はイメージ(photo: Unsplash / Alwan Ibrahim)

報告書によれば、2021年3月〜24年3月までの間、アスベスト含有物質のある1431校のうち、3年ごとの検査を義務付けられていたのはわずか257校、全体の18%に過ぎなかった。また、23年5月〜24年4月までの間、6か月ごとの定期検査を義務付けられていたのは22%だった。アスベスト使用校の数が最も多いのはブルックリンで、コンプライアンス率が最も低いことも判明した。

石綿障害緊急事態対応法では、石綿含有物質すなわち石綿を1%以上含むあらゆる材料や製品を使用している学校は、法律で定められたスケジュールに従って検査を受けることが義務付けられている。監査では、1997年以降、教育省が3年ごとに実施すべきと定められている検査のわずか11%しか実施していないことも判明。ランダー氏は、DOEは「何年にもわたり、アスベスト管理に関する最低限の全米基準を驚くほど順守できていなかった」と非難した。

アスベスト検査官は、アスベストを含む全ての材料を検査し潜在的な影響を評価し、その結果を管理計画に提出しなければならないが、検査を行わない場合、報告書によると、生徒や教職員が危険にさらされる可能性がある。

会計監査官事務所はDOEと学校建設局に対して、学校関係者におけるアスベスト規制順守の意識と理解を高めること、学校におけるアスベスト対策に関する方針と手順を策定すること、説明責任を確保するための記録管理システムの導入など9つを勧告。DOE側は同意した。

石綿は、長期間にわたって曝露すると、中皮腫や石綿肺などの深刻な健康問題を引き起こす可能性がある。

編集部のつぶやき

アスベストの他に、ニューヨーク市では1978年以前に建てられた建物を対象にアパートの鉛検査が義務付けられており、建物内の共用エリアと居住するエリアにおける鉛ベースのXRF検査を今年8月までに完了するよう定められています。私が居住するアパートは、プリウォー(戦前建造)の市のレントコントロール物件ですが、去年から「○月○日、○時から○時の間に鉛検査に行く」と何度も連絡があったにもかかわらず、いつもすっぽかし。検査官は一度も顔を見せたことがありません。ニューヨークあるあるです。(A.K.)

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