2025年4月25日 2025年の特集 日系教育機関特集 4月:教育特集号 SPECIAL

ニューヨーク日本人学校

基本情報
児童生徒数(3月時点での予想人数)
初等部54人、中等部32人、合計86人

学期 
4月スタートの3学期制 
1学期 4月10日〜7月11日
2学期 8月18日〜12月23日
3学期 1月5日〜3月10日

本校の特色

ニューヨーク日本人学校は、主な学習内容を文部科学省による学習指導要領を基本に行っている点で多くの部分で日本の学校と似ています。運動会やスクールフェスティバルなどの日本で行われている行事はほとんど実施しています。ニューヨークの近隣にあること、初等部と中等部が同じ校舎で学校生活を送っていることを生かして、日本の学校とは違う取り組みを行なっています。

【思いやりのある子どもの育成】
初等部・中等部の子どもたちが同じ校舎で学校生活を行い、行事や集会を共にすることで、異年齢での交流をもつ機会があります。その中で上級生が下級生のことを考えどのような活動が適切かを考えたり、一緒に楽しく活動を行ったりすることで、思いやりの心の育成が図られています。

【日本人としての軸(アイデンティティー)の育成】
在外施設であるため欠如しがちなアイデンティティーですが、子どもたち一人一人が、自己の個性の中に日本人としての軸(アイデンティティー)をもち、将来は日本人として国際的に活躍してほしいと願っています。そのため、日本と同等の学習内容を実施することで日本人の考え方を身に付け、日本の伝統文化的行事の体験などを行うことで日本文化理解につなげ、日本人として育成したいと考えています。

初等部全校遠足

海外における日本人教育として、意識していること

本校の強みを生かした教育の特徴は次の点にあり、特に意識して実践しています。

【英語教育・現地理解教育の推進・本物に触れる教育】
本校の特徴として、初等部は週4時間、中等部は週5時間の英語の授業を実施しています。現地理解教育として社会科や理科の校外学習、宿泊学習や修学旅行におけるアメリカの自然や歴史の学習、アート科ではニューヨークにある美術館や近隣大学の美術館を訪問してアート作品の鑑賞をし、本物に触れる体験をしています。

【学校間交流・・・日本人からグローバル人へ】
アメリカのプライベートスクールの一つとして運営しています。コネティカット州グリニッチという立地条件を生かし、日本人としての教育と国際性を身に付ける教育を並行して行っています。学年ごとの学校間交流の実施は、その一つであり、本校の大きな特徴です。相手校への訪問時には現地の子どもたちと協働で取り組むプログラムを体験し、本校への招待時には日本文化を発信して交流を深めています。このことは子どもたちのグローバルな感覚を育てるためにとても大切な体験活動として位置付けています。また、卒業生は日本の高校へ進学する生徒がほとんどですが、現地の高校へと進む子どもも数人います。

百人一首大会

今後に取り組みたいこと

英語科では、英語の一部の授業でSTEAM教育を取り入れ、さまざまな分野で使われている言葉を英語で学び、日常での英語力の向上を目指しています。また、アート科ではイマージョン教育を実践しており、子どもたちの自由な発想を育成し、伸ばす取組を行っています。今後STEAM教育をさらに強化し、グローバルな時代にふさわしい教育を進めてまいります。

卒業生から

令和5年度卒業生 新 優人

私は昨年4月に日本へ本帰国し、新たな環境での高校生活を始めた。日々の生活を送る中で、ニューヨーク日本人学校での経験がどれほど貴重だったかを実感する機会が多々あると感じる。

日本語と英語の両方を体系的に学べる環境がそろっているニューヨーク日本人学校では、日本での小中学校のカリキュラムを軸に、週5時間以上の英語授業があり、自然に英語に触れる機会が日常的にあった。特にネイティブの先生による授業は単なる言語習得を超え、思考力や表現力を養う場となっていた。小説を半年かけて読み、ボキャブラリーの確認から登場人物の心情や物語の背景について考察まで論理的に考え、自分の意見を的確に伝える力が鍛えられた。この経験は、高校での長文読解やエッセイの課題にも役立っており、ニューヨーク日本人学校で培った力の大きさを実感している。

IT教育も大きな学びの一つだった。デバイスの基本操作からプレゼンテーション資料の作成、Excelを活用したデータ処理まで、実践的なスキルを身につける機会が多かった。これらのスキルは、技術科の授業を越えて総合学習やキャリア教育、さらには国語や数学の授業でのITを用いた発表は、高校生活においても大いに役立っている。

また、学びの機会は教室の中だけにとどまらず、運動会やスクールフェスティバルなど、多くのイベントを通じてさまざまな経験を積むことができた。特に、初等部高学年や中等部では、生徒が企画・運営を担う機会が増え、主体的に取り組む中でリーダーシップや協調性を養うことができた。さらに、百人一首大会や書き初め大会といった日本の伝統文化に触れる行事も、学びの幅を広げる貴重な機会となった。これらの経験は、日本文化への理解を深めるだけでなく、高校の授業でも役立っていると感じている。

こうして振り返ると、ニューヨーク日本人学校での学びは、知識の習得だけでなく、将来を見据えた多面的な成長につながるものだったと実感する。卒業後もこれらの経験が確かな土台となり、より深い学びや新たな挑戦へとつながっていることを日々感じている。

生徒の保護者から

小学生の息子は3年余り、ニューヨーク日本人学校に通学しています。本校は文部科学省の学習指導要領に基づいた授業が行われ、国算理社を深く学べることをありがたく思います。さらに、アメリカ人講師による生徒児童の語学レベルに合わせた英語教育により、英語が不得手だった息子が現地の方々と積極的にコミュニケーションを取れるようになり、驚いています。

また、本校は初等中等一貫教育であることから、学年を超えた交流が盛んで、お互いの意見を尊重し、相手の気持ちを思いやり、協力して学校生活を送っている姿を目にします。小学4年生の時点で既に生徒達自身で企画し、運営するイベントがあり、意欲的に行事に参加する姿を見てとても頼もしく感じています。先生方が生徒一人一人に目を配り、学習面のみならず、心の育成にもご尽力くださり、日々息子の成長を感じることができて、保護者として大変喜ばしく思っています。

体験入学の実施

本校入学に向けて、不安をおもちの方に対して、学校案内や5日間の体験入学を実施しています。学校を見て、体験入学を経て入学を決める方もいらっしゃいますので、お気軽にご相談ください。

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