2025年4月30日 NEWS DAILY CONTENTS COLUMN 『夢みたニューヨーク、住んでみたら?』

連載『夢みたニューヨーク、住んでみたら?』Vol.18 憧れのニューヨーカー像は、手に◯◯

ニューヨークでの生活では驚きが「スタンダート」と化している。筆者は28歳、この夏憧れのニューヨークにやって来た新参者だ。日本(神戸)で人生の大半を過ごしたせいか、いちいちビックリするようなことが毎日のように起こるので、文化の違いやカオスな出来事を中心にポップにつづっていくことにした。

〜 花束を抱えたニューヨーカー 〜

筆者には自分がなりたいニューヨーカー像がいくつかあって(どれもちょっと変なのだが)、その1つに “地下鉄で花束を抱えている人” というのがある。

ジーンズにTシャツというシンプルなスタイルに赤い小さなブーケを抱えている女子、アイロンで伸ばしたシャツの襟を入念に触りながら、片手に花束を持っている男子、愛らしいワンピースに身を包んで、手にはその横のジェントルマンからもらったであろう黄色い花を持ってる女子。なぜか筆者は、こうやって花を持って地下鉄に乗っている人たちを見るのがとても好きなのだ。

花は悲しい時にはあげないし、きっとその背景には誰かを思うやさしい、ハッピーな気持ちがある。そんなストーリーを勝手に想像して、ついニヤッとしてしまうのは筆者の趣味のようなものである。そして、笑顔になると同時に「私も花束を持って地下鉄に乗りたい」いつしか、こんなワケのわからない目標ができていた。

以前にバレンタインのエピソードを書いたが、実はその日に筆者の小さな夢も叶っていたのだ。そう、花束を抱えて地下鉄に乗ってました!(拍手)。周りから見たら、ただの花束を持った女子かもしれないが、この日の地下鉄ライドはチューリップのポッと明るいピンク色のような、喜びに満ちた時間だった。

筆者のプロフィール

ナガタミユ(Miyu Nagata)エディター/ダンサー

兵庫県出身の27歳。幼少期に観た「コーラスライン」をきっかけに舞台芸術の世界にどっぷりハマって以来、20年以上踊り続けている。また、日本の出版社で編集者として活躍したのち「書いて、踊る編集者」としてさらなる飛躍を遂げるため、2024年8月から拠点をニューヨークに移す。

過去のエピソード

Vol.1 ニューヨーカーは、なぜブックカバーを使わない

Vol.2 居酒屋デートの概念がない街

Vol.3 遅延だらけのサブウェイを乗りこなすコツ

Vol.4 街にあふれるレディファーストな男性たち

Vol.5 アメリカには存在しない便利アイテム

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