パーチェスが一番輝く季節――祥風祭 2025
巽 孝之
(慶應義塾ニューヨーク学院第 10代学院長)
2022年に学院長に就任して以来、4月のニューヨーク学院文化祭「祥風祭」に接して今年で四回目。これこそは一年のうちで学院の生徒たちの才能が——より正確には潜在的可能性が——最も燦然と輝く瞬間だと、断言しよう。その意味で、今年の祥風祭パンフレットに寄稿した下記の序文には、いささかの誇張もない。

パーチェスの一年で一番美しい季節に行われる文化祭。
それはニューヨーク学院が一年で一番躍動する瞬間だ。
高校時代の貴重な一時期、誰もが天才になれるかもしれない。
そしてニューヨーク学院独自の文化が爆発するかもしれない。
だが、一番大切なのは、その先に何が待ち構えていようと、かつてリンゴ・スターが語ったように、「みんなで何かをいっしょに楽しむこと」、これである。
いまから 65年前、英国はリヴァプール出身の少年たちは、自分たちの将来など、まったくわかっていなかった。けれどもいつしか兄弟同士のように親しくなり、好きな音楽をいっしょにやっていると決まって至福のひとときを過ごせるようになった。以後十年で、四人は世界を変えた。
しかし、歴史はあくまで結果論である。ザ・ビートルズは、たんに自分たちが好きなことをいっしょに楽しんだのにすぎない。
祥風祭も同じである。
まずは生徒諸君が一丸となって、大いに楽しんでほしい。
今年は 3月29日に行われたオープンハウス&学院説明会には 300名が参集したことで、歴代の記録を更新したと聞く。それから二週間後、4月13日に行われた祥風祭もお花見を兼ねて開かれたためか、ほぼ同数のお客様をお迎えした。当日のようすは、たくさんの写真から伝わってくると思う。さらに今回は、それぞれの企画の担当者による報告を用意したので、舞台裏に至るまで、どうぞ楽しく追体験していただきたい。

Night Arcade
12年 田中咲都奈 (TANAKA Satona)
12年ブース「Night Arcade」は、夜の学校に迷い込んだ私達がループの世界を脱出するためにゲームをクリアしていくというコンセプトのブースでした。卓球、ダーツ、スイッチ、Hitting Bottle、コンギゲーム、ジェギキック、トランプの7つのステーションを用意し、チャレンジに成功した方にはお菓子の景品をお渡ししました。
会場の雰囲気作りにも力を入れ、コンセプトに合わせてカラフルでワクワクするゲームセンターのような空間を演出しました。遮光カーテンやネオンテープを高い場所に取り付けたり、学年のみんなで協力して準備を進めました。
ブースリーダーとして特に考えたことは、当日の混乱を防ぐための動線確認とルールの作成でした。各ステーションに担当を配置するだけでなく、案内役を配置することで、立ち往生してしまうお客さんが出ないように気を付けました。また、1人で来た方もグループで来た方も楽しめるよう、どちらにも対応したマニュアルを用意しました。小さな子ども連れの方も遊べるように、例えば、ダーツやボールを投げ始める位置を3段階に分けるなどの工夫をしました。
運営を通して、予測力や臨機応変な対応力、チームの連携の大切さを学び、リーダーとして貴重な経験になりました。学年のみんなの協力のおかげで素敵なブースになりました。来てくださった皆さんが楽しんでいただけていたら嬉しいです。ありがとうございました!
VR
10年 片貝聡美 (KATAKAI Satomi)
“VR今すぐ体験できます!!!” そんな声が廊下いっぱいに響き渡る数分前、私は校内を走り回っていた。祥風祭当日であるというのに、電池がない、印刷したはずの紙がない、装飾がずれ落ちているなど、予想していなかった問題が立て続けに起こった。慌ててはいけない、頭ではわかっている解決案が整理実行できない焦りが溢れて汗が滲む。そんな時、「何か手伝うことはある?」と声をかけてくれたメンバーに救われた。皆で協力して作り上げるブース。しかし私はリーダーである自分が中心となり、作り上げなければと頭のどこかで錯覚していたのかもしれない。メンバーで協力することが最善の解決策であったことに、土壇場で気が付くことができた。その後、私がもう一度紙を印刷している間に、通学生の保護者の方に電池を持ってきていただけることになり、手が空いている人は装飾を直してくれることになった。そしてお客様が来る前に無事に全ての準備を終わらせることができたのだった。ブースがオープンした後もヘッドホンが使えない、電子黒板に映像が流せない、などいくつかの問題が発生したものの、私たちの持前の臨機応変さで乗り越え、あっという間に祥風祭は終わりの時間を迎えた。問題が起こるのは当たり前。しかし、どんなに緊迫した状況であっても、「仲間で協力しあえば何とかなる」ということを強く実感することができた祥風祭となった。

トレジャーハント
10年 平元謙之介 (HIRAMOTO Kennosuke) 鈴木啓太 (SUZUKI Keita)
私たちのブースは唯一、教室内外で行われる広々としたアクティビティです。慶應義塾ニューヨーク学院にまつわる色々な謎解きをして、最終的に宝のありかに辿り着くという、シンプルで楽しいブースです。
ここで少し私たちのブースの仕組みを説明させてください。ここで言うお宝とはビーズのことで、最終的に集めたビーズでブレスレットや紐が用意してあるのでミサンガなどが作れます。しかしブレスレットやミサンガを作る前には宝探しが必要です。最初に受付で渡す問題を解いてもらい、答えの場所に向かいます。そこにはまた問題がありそれを解いたらロッカー番号の答えが出てきます。答えのロッカーに向かって開けると、そこには最後の問題が入っているので、それを解くと、お宝の鍵の答えに繋がります。
私たちのブースではとてもユニークな仲間が揃い祥風祭前日のPrep day では仲間一丸となり、それぞれの準備に取りかかりました。順調に準備が進み、祥風祭当日を最高の形で迎えました。祥風祭が始まり仲間で同じ服を着ましたが、中にはシフト中持参した仮装服を使い、ブースをより派手にしてくれる人もいました。無事祥風祭が終わり、みんなで協力し合って片付けを終わらせ、最後のイベントであるクロージングセレモニーを迎えました。私たちは全体で3位という結果に終わり、46人全員の協力が報われ、本当に高校生活で最高な青春の瞬間になったと思います。
たった一日の短いイベントでしたが、精一杯楽しみ、とても素晴らしい祥風祭になりました。
デコ
11年 杉野舞 (SUGINO Mai)
「タオルデコレーション&フェイスペイント」のブースを出展しました。来場者の皆さんに楽しんでもらえるよう、準備から当日まで、メンバー全員で協力し、 CM制作やポスター作成、ブース内の装飾などにも工夫を凝らしました。タオルデコレーションでは、無地のタオルに名前や趣味、好きなキャラクター、部活の応援メッセージなどを自由に書き、世界に一つだけのオリジナルタオルを作ってもらいました。完成したタオルを手に、嬉しそうに写真を撮る姿が多く見られ、思い出づくりの手伝いが出来て嬉しかったです。またタオルが完売するなど予想以上の反響に、メンバー皆、驚きと喜びでいっぱいでした。
フェイスペイントでは友達や家族同士で顔にグリッタージェルやシールを貼って楽しむ姿が印象的でした。小さなお子さんから大人の方まで、沢山の方が参加してくださり、終始ブースは明るく和気藹々とした雰囲気に包まれていました。そして何より嬉しかったのは、私達のブースが「ベストブース賞」を受賞したことです。メンバー全員で、約五ヶ月間アイデアを出し合いながら頑張って準備してきた時間がこの結果につながり、沢山の方に楽しんでいただけたことを心から誇りに思います。今年の祥風祭テーマは「青春」で、テーマにぴったりな笑顔と想像力に溢れるブースになりました。皆さんが過ごした楽しい時間が、大切な思い出として心に残っていたら幸いです。

カジノブース
11年 西村さゆり(NISHIMURA Sayuri)
今年の祥風祭で、多くの笑顔と歓声があふれていたのが、11年生による「カジノブース」です。カジノブースとは、その名の通りカジノを楽しめるというブースです。文化祭の一企画でありながら、本物のチップを使用し、来場者には初期費用として10ポイント分のコインが配布されるという本格的な内容となっていました。さらに、ゲームごとに賭けられるポイントやコインの増え方が異なり、どのゲームを選ぶかは来場者に委ねられていました。手持ちのポイントを見ながら戦略を立ててプレイする楽しさに、多くの来場者が夢中になっていました。目標は12ポイント以上で、達成した人には豪華な賞品が用意されており、子どもから大人、在校生や現地から遊びに来られた方々まで、幅広い世代の方に楽しんでいただけました。
ゲーム内容も多彩で、運を試すものや駆け引きを楽しめるものなどがあり、何度も挑戦するリピーターの姿も見られました。中でも印象的だったのは、ブース運営を担ったシフトメンバーの活躍です。彼らはディーラーとしてゲームの内容をお客さんに説明したり進行したりしながら、来場者とのコミュニケーションも積極的に行っていました。主体的に動き、明るくエネルギッシュに場を盛り上げる姿が、ブース全体の活気と一体感につながっていました。「カジノ」という非日常の世界観の中で交わされた会話や笑顔、一喜一憂の時間などのすべてが、私たちにとって忘れられない“青春”の一ページとなりました。

軽音部
11年 石原瑚子 (ISHIHARA Coco)
今年の祥風祭では、軽音部は橋の下でライブを開催しました。部員たちはここ何か月もの間、放課後に空いた時間や週末を使って、日々練習を重ねていました。部員の大半は今年から楽器を始めたにもかかわらず、みるみるうちに演奏技術を上達させ、本番では練習の成果を見事に発揮していました。
トップバッターはCali-A。このバンドはとにかく私たちを慕ってくれているんです。「先輩に憧れて」という言葉を聞くたびに、顔が綻んでしまうのも、そんなバンドに救われていることも、ここだけの秘密です。
二番目は5じ6じ。曲もバンドメンバーに凄く合っていたし、全員が上達していてびっくりしました。前よりも格段に上手くなっていて、足りないところは全員で助け合って頑張ったことが分かりました。
三番目はBandAid。披露できるかとハラハラしていたけれど、本当に安心しました。交代したパートがあるのにも関わらず演奏は完璧で、四人が本当に真摯に楽器に向き合っていたんだと伝わりました。
四番目は先生たちのバンド。もうね、言うことありません。かっこよすぎ。この先生たちの演奏が聞けることを誇りに思います。
五番目は8.8(はちまるはち)。時間がなかったはずなのに、三人とも熱心に練習していて、自分の楽器を完璧に弾きこなしていて感動しました。これからもっと上手くなるんだろうなと、そう感じます。
六番目は仮B。ガールズバンドならではのゴタゴタはきっとあると思うけど、それでも確実に高クオリティで仕上げてくるところが本当に格好いい。洋楽でぶち上げてくれる、凄く心強いバンドです。
七番目は七度二分。初代軽音部唯一の男子バンドなわけですが、このバンドは本当に演奏が上手です。これからの軽音部もきっと彼らがいるなら心配はいらないと思えるほど、頼りにしています。
ラストは欠陥バンド。お客さんたちが凄く盛り上がってくれて、演奏していて本当に楽しいライブでした。私たちはきっと幸せ者です。
今回は天気に恵まれ、晴天の下でライブをすることができました。お越しくださった皆様、本当に有難うございました。ぜひ来年の祥風祭も、軽音部員が奏でるバンドを聴きにいらして下さい。

Fashion AE
11年 田中日和子 (TANAKA Hinako)
Fashion AEのブースは今年度から初めて祥風際に追加されました。AEとは、Academic Extensionを省略したもので、放課後一時間の選択授業のことです。今回のブースでは、昨年の9月から制作してきた「ムードボード」の展示と、モールを使ったキーホルダー作りを主に行いました。ムードボードとは、画像やテキスト、ロゴなどのデザインを使ってコンセプトやアイデアを視覚的に表現するためのボードです。かつてファッション業界で実際に活躍し、よく雑誌からアイデアを得ていたというDavis先先生が、ボードを彩る素材に使えるようにと、二十冊以上の私物の雑誌を提供してくださりました。一学期のはじめは、それらのページをめくり自分のスタイルを模索するので一授業があっという間に終わってしまうことも多々ありました。
しかし、みな徐々に好きな系統や雰囲気がかってくると、スムーズに素材も選べるようになり、次第に余白も少なくなっていきました。そうして完成形に近付いていきました。また、ゲスト参加型のキーホルダー作りは、可能な限りちいさなお子さんでも楽しめるようなブースを作りたいという思いから浮かんだ案でした。当日のシフトに入っている生徒はモールの使い方やアイデアの提供などに一生懸命に取り組みました。たくさんのお子さんや親御さんから良い評価をいただくことができたので、来年度も是非続けていきたいと思います。
書道部
11年 坂本実來 (SAKAMOTO Mirai)
書道部は週に一回活動していて、季節や学校行事に沿った作品を自由に制作しています。完成した作品は学校の廊下に掲示したり、祥風祭のような学校行事の際に外部の方々に向けて展示したりします。
今年の祥風祭では、書道部として新たな取り組みに挑戦しました。例年設けている、日本文化の魅力に触れていただく書道体験コーナーに加え、今年は「詩織作成」という親しみやすさを重視したブース制作に力を注ぎました。詩織作成では部員が、筆ペンを使用して無地の詩織に希望された言葉を書き、来訪者にプレゼントします。その後お客様はシールや色ペンなどを使って詩織をアレンジすることができ、誰もが気軽に書道文化に触れられるような参加型ブースに作り上げました。
慶應義塾ニューヨーク学院の書道部は、初心者から経験者まで誰もが楽しめるアットホームな環境で活動しています。週に一回、端正な空間で文字と向き合う時間は、部員誰もが精神を整え、心を安らげる空間となっています。ニューヨークでの留学期間中、日本の美を保ちながら国際的な架け橋となる書道を味わえる貴重な部活です。

サイエンス部
11年 鶴賀千歳 (TSURUGA Chitose)
今年の祥風祭にてサイエンス部ではミニアクアリウムを作れるブースを開催しました!たくさんの方がご来場され、楽しんでくださいました。
今回の企画では、小さな瓶にカラフルなビーズや貝殻、ラメなどを入れて自分だけのオリジナルなアクアリウムを作る体験を提供しました。水の中で揺れる飾りや、キラキラ光る水もきれいで、子どもから大人まで多くの方が夢中になっていました。何個も作って並べて楽しんでいる人もいて、こちらも嬉しくなりました。
準備期間ではキャップに貝殻やカメのビーズなどを乗せるなど、かわいくなるように何回も試作を重ねました。どんな素材を使えば水の中で映えるか、どうすれば誰でも簡単に作れるかをみんなで話し合い、協力して準備を進めました。当日は予想以上来場者数に驚きながらも、笑顔で楽しんでくれる皆さんの姿を見て、頑張ってよかったと感じました。
今回のブースを通して、科学の楽しさを身近に感じてもらえたのではないかと思います。身の回りのものでも、ちょっとした工夫で美しい作品が作れることを知ってもらえる良い機会になりました。
これからもサイエンス部ではこのような面白い企画にどんどん挑戦していきたいと思っています。来年の祥風祭でも、もっとワクワクする体験を届けられるように頑張りますので、ぜひまたお越しください!
剣道部
11年 山邉 佳奈 (YAMABE Kana )
剣道部では、「和の精神」を大事にしたいという思いから、日本のお祭りの縁日を催したブースを企画しました。輪投げや射的、紐くじなどで獲得したポイントをお菓子と交換できるという子供心と和心をくすぐるブースを、部員全員で作り上げました。
想定したよりもどのゲームも難しく、景品のお菓子が余るほどでした。中には射的が上手で、一等賞である日本のお菓子を数袋獲得していった生徒もいました。
剣道部は週に二回、八段の加藤師範と顧問である五段の李先生の指導を受けながら稽古に励んでいます。部員のほとんどが初心者であり、誰でも剣道を始められる環境にあります。総部員数は十人前後と、文化部の中では一番少数。でもそのおかげで部員同士の絆は深く、学年や性別問わず仲良く部活動をしています。
毎年現地校と交流するときは、剣道のデモンストレーションや体験をする場を設け、日本の文化的スポーツの魅力を現地の人に伝えています。心と体を共に鍛え、何にも動揺しない熱心な姿勢を習得するためにこれからも日々精進してまいります!

アスレチック
12年 橋本凌 (HASHIMOTO Ryo )
今年アスレチックブースを主催したハウススポーツキャプテンです!
祥風祭では体力測定と球技合わせて6種類の競技を用意して、目標をクリアしたらお菓子がもらえるというブースを造りあげました。当日生徒やお子さんたちだけではなく大人の方々も自ら参加してくださって、大成功なブースとなりました。
慶應義塾ニューヨーク学院では、学内の生徒たちが「ハウス」と呼ばれるいくつかのグループに分かれて様々な活動を行っています。ハウススポーツキャプテンは、ハウスカップというハウス対抗のスポーツ大会と体育祭を毎年主催しています。私たちは、このような活動において自分のハウスをまとめ、リーダーシップを発揮する重要な役割を果たす委員会です。
キャプテンは、各ハウスの中から12年と11年それぞれ一人選出され、1学期に1回行われるハウスカップや年に2回行われる体育祭の準備と当日の運営をサポートします。メンバーを鼓舞し、競技に必要な団結力を育てることが求められます。チーム内で盛り上がっているかどうか、全校生徒が積極的に参加し、つまらなくはないか、といったことを考えながら、日々活動を行っています。
私にとって、ハウススポーツキャプテンは単なるリーダーではありません。全員との信頼関係を保ち、心を一つにする存在です。勝つことだけでなく、仲間と協力して一つの目標を目指す過程にこそ意味があるからです。そうした経験を通じて、キャプテン自身も大きく成長するのだと実感しています。
このような経験ができる委員会に入ることができて、私は幸せです。アメリカの文化は、自分の意見を言う機会が多く、良い人間関係を保つことの意義を学ぶことができる場ではないでしょうか。日本では中々出来ない経験を活かして、これからもメンバー一同、仲良くやっていきたいと思います。
クリエイティブ・ワークショップ
11年 応暢 (YING, Chang)
Creative Workshopは、「表現」を大切にしている部活です。
詩、小説、エッセイ、ダイアローグ、インタビューなど、いろいろな形で自分の想いを言葉にしています。うまく伝わらないもどかしさも含めて、言葉を通して誰かとつながる経験は、きっとこの先もずっと大切な力になるでしょう。
バイリンガルの生徒が多いこの学校だからこそ、日本語と英語の両方を使って、言葉の壁を越えて表現に挑戦できるのが、この部活の大きな特徴です。他の学校にはない、慶應NYならではのスタイルだと思います。
主な活動は、文集の制作、祥風祭の展示やイベント企画、そして福沢スピーチデイの運営です。福沢スピーチデイでは、司会、写真、音響、スピーカーなど、舞台の前も裏も、クリエイティブ・ワークショップの部員が支えています。最近は、オープンハウスでもブースを出して、学校の「あるあるネタ」や、生徒生活の紹介などを披露し、新入生や保護者の方と交流しています。
今年の祥風祭のブースでは、短歌作り、漢字クイズ、百人一首、トリビア、イントロドン、死ぬまでにやりたいことリスト、そしてディズニーコーナーを用意しました。日本語がわかる人もわからない人も楽しめるように、すべてに英語訳もそろえています。ディズニーから百人一首まで、年齢や言語を問わず、誰でも楽しめるブースになっています。
さらに、ブースの外には鳥居や平安京の壁をイメージしたポスターなどの装飾も用意しました。日本の文学や文化を外国人にも伝えられるように、そして通りかかった人たちが少しでも興味を持ってくれるように、工夫の限りを尽くしました
Creative Workshopは、2021年のコロナ禍にZoomでスタートして、今年で4年目。これまでに6冊の文集を発行し、毎回巽学院長にも寄稿していただいています。一人ひとりの言葉を大切にしながら、これからも少しずつ、活動の幅を広げていけたらと思っています。

数学部&チェス部
今年も数学部とチェス部は合同ブースとして祥風祭に参加しました。普段から同じ顧問岩橋先生のもとで活動している私たちは、子どもから大人まで楽しめるブースを作り上げました。
数学部では、イエール大学での大会やマンハッタンヴィル大学の Westchester Math Circle のセミナーなど、今年も校外イベントに積極的に参加しました。内容は難しくても、仲間と考えることで自然と楽しくなる——それが数学部の魅力です。9年生から12年生まで、GPAも得意分野もバラバラなメンバーが集まり、それぞれのペースで学び合っています。
チェス部は、チェス、将棋や囲碁、ボードゲームまで、いろいろな遊びができる場所です。こちらも学年や性別を問わず、みんなで盛り上がれるのが魅力です。今年は、部員発案で「リアルAmong Us」や「逃走中」などのイベントも実現し、ますます遊びの幅が広がっています。
今年の祥風祭ブースでは、イエール大学で実際に出された問題をアレンジしたクイズ、頭をひねるパズル、計算ルールのおもちゃ、マッチ棒移動quiz、数学科からのチャレンジ問題など、世代を問わず楽しめる工夫を沢山詰め込みました。更に、チェス、将棋、囲碁、そしてUNOなどカジュアルなボードゲームまで、気軽に頭を使って遊べる空間を用意しました。また、ブースの中では私たちの普段の活動の様子も写真で紹介も入れて、楽しい思い出を詰め込んだ展示にもなりました。
これからも、数学部ではさらに多くの大会やイベントに挑戦し、結果を出せるよう力を入れていきます。チェス部も、新しい企画を通して、遊べる楽しい空間をつくっていく予定です。
茶道部
12年 三宅真央 (MIYAKE Mao)
数ヶ月間の準備を経て、今年の祥風祭の茶道部は、昨年よりさらに計画的に取り組むことができました。お点前の構成や流れ、和室内の飾りつけやお菓子の選定など、細かいところまで話し合い、力を合わせて頑張ってきました。しかし、直前までお点前の実施場所や担当、そして着物を着るメンバーが決まらず、調整に苦労する場面も多くありました。
それでも当日は、各自が臨機応変に動き、無事に本番を迎えることができました。限られた時間と空間の中で、少しでも多くの方に茶道の魅力とおもてなしの心を感じていただけるようにと、部員一人ひとりが丁寧な対応を心がけました。限られた人数でのお点前でしたが、担当した部員は落ち着いて丁寧に取り組み、場の空気をしっかり作ってくれました。
今回、特に印象的だったのは、数名の部員が着物を着てお点前を披露できたことです。実は前日まで、着物を着る予定の部員を優先順位で決めており、全員が着られるかどうかは分からない状況でした。部長や幹部メンバーは、もし時間が足りなければ自分たちは私服でも構わないと考えていました。しかし、当日の流れを見て柔軟に調整した結果、希望していた全員が着物での参加を実現でき、茶道らしい雰囲気を作ることができました。
お客様からは「アメリカで本格的な茶道を体験できて嬉しかった」「丁寧なお点前だった」といった嬉しい感想を多くいただき、部員たちの努力が報われたように感じました。準備の大変さや直前のバタバタも含めて、茶道部としての集大成とも言える文化祭になりました。



(記事、写真提供:慶應義塾ニューヨーク学院、編集構成・宮崎仁美)
RECOMMENDED
-

客室乗務員が教える「本当に快適な座席」とは? プロが選ぶベストシートの理由
-

NYの「1日の生活費」が桁違い、普通に過ごして7万円…ローカル住人が検証
-

ベテラン客室乗務員が教える「機内での迷惑行為」、食事サービス中のヘッドホンにも注意?
-

パスポートは必ず手元に、飛行機の旅で「意外と多い落とし穴」をチェック
-

日本帰省マストバイ!NY在住者が選んだ「食品土産まとめ」、ご当地&調味料が人気
-

機内配布のブランケットは不衛生かも…キレイなものとの「見分け方」は? 客室乗務員はマイ毛布持参をおすすめ
-

白づくめの4000人がNYに集結、世界を席巻する「謎のピクニック」を知ってる?
-

長距離フライト、いつトイレに行くのがベスト? 客室乗務員がすすめる最適なタイミング
-

機内Wi-Fiが最も速い航空会社はどこ? 1位は「ハワイアン航空」、JALとANAは?
-

「安い日本」はもう終わり? 外国人観光客に迫る値上げラッシュ、テーマパークや富士山まで








