2025年5月13日 早稲田アカデミーNY校 COLUMN

早稲田アカデミーNY校 川村先生の知って安心! 帰国入試情報室 Vol. 2 受験に向けた夏休みの過ごし方(小6・中3受験生)

早稲田アカデミーNY校の川村です。今回は、受験生の夏休みの過ごし方について保護者の皆様に向けてお話します。

日本では7月下旬から8月末までのおよそ40日間が夏休みとされています。この期間は受験生にとって極めて重要な「勝負の夏」となり、「夏を制する者は受験を制す」とまでいわれるほどです。日本の塾では夏期講習会を中心に1日10時間、合計で400時間以上の学習時間の確保を目標にしている例も少なくありません。

一方、アメリカの多くの学校では夏休みは6月末から9月初旬までと、日本よりも長い傾向にあります。この時間の差をどう活用するかが海外で受験に挑む子どもにとって大きなカギとなります。

特に意識していただきたいのは、日本国内で受験勉強に励んでいる「見えないライバル」の存在です。日本では中学3年生の多くが6〜7月に部活動を引退し、それをきっかけに一気に受験モードに切り替わります。早稲田アカデミーでも前半の夏期講習会、夏期合宿・夏期集中特訓、後半講習会と息つく暇のない40日間が展開され、8月末には受験校の選定に大きく関わる模試が実施されます。生徒たちはそのゴールに向けて高い集中力で夏を過ごしています。

海外で暮らす子どもは、日本よりも早く受験モードに入ることが可能です。長い夏休みは学習時間を確保するチャンスでもあり、意識的に取り組めば日本の受験生との差を縮めたり、逆に先行したりすることも可能です。

とはいえ、現地校に通っている子どもの中には、周囲に同じような受験生がいない環境で、「なぜ自分だけが勉強しなければならないのか」と孤独を感じてしまうケースもあります。そんなときには、塾など外部の存在が良きペースメーカーとなります。ニューヨーク近郊にはオンライン受講も可能な進学塾が複数あり、勉強のリズムを保つために講習会の受講は有効です。

また、保護者の皆様にぜひお伝えしたいのは、「中だるみ」への対策です。長期休暇中は生活が単調になりがちで、集中力を保つのが難しくなります。週に一度は好きなことをして過ごす「チートデイ」を設けるなど、メリハリを持った生活づくりをサポートしていただけると、子どもたちも前向きに取り組めるかと思います。

そして、最も注意すべきは「講習会のない期間」の過ごし方です。講習の終了をゴールと勘違いし、その後の数週間を気を抜いて過ごしてしまうケースも少なくありません。しかし実際には、この“隙間の期間”こそが、日本の受験生や帰国生と差をつける最大のチャンスなのです。

子どもたちがこの夏を充実したものにできるよう、ぜひご家庭でも「目的を持って過ごすこと」の大切さを伝えていただければと思います。次回は非受験学年の夏休みの過ごし方についてお話します。

早稲田アカデミー ニューヨーク校
https://www.waseda-ac.co.jp/abroad/school/newyork.html

早稲田アカデミーNY校  川村宏一(かわむら こういち)

早稲田アカデミーUSA取締役・NY校現地代表。2002年に早稲田アカデミーに入社後、校舎で7年間にわたり講師を務め、その後、高校受験部門で英語科目の責任者を担当。現在の早稲アカ英語科システムの礎を築いた後、国際部に異動し、英語専門校舎の統括責任者に就任。2023年3月から現職。早稲田アカデミーの教育理念である「本気でやる子を育てる」を、海外においても実践している。お問い合わせはこちらまで(メール:newyork@waseda-academy.com

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