アメリカの食品には、子どもの注意欠如・多動症(ADHD)に関連するとされる人工着色料が広く使われている。ロングアイランド在住のステファニー・ロムートさんの息子(7)も、学校給食で人工着色料入りのヨーグルトを食べた後に行動が激変した。息子に行動や衝動制御の問題があると診断された4年前からロムートさんは食生活から人工着色料を完全に排除してきた。症状は劇的に改善したが、「学校では完全な管理が難しい」と嘆く。人工着色料に対する現状をヘルスビートニューヨークが14日、伝えた。

写真はイメージ(Unsplash / Vinicius “amnx” Amano)
人工着色料は至る所に存在している。チートス、ジョリーランチャー、アップルソース、ピクルス、アイスクリーム、タイレノールや処方せん薬まで。2016年の研究では、あるスーパーマーケットで販売されている子ども向け食品の43%に人工着色料が含まれていることが判明している。
規制遅れるアメリカ
これまでの研究から、赤色40号や黄色5、6号、青色1、2号を含む人工着色料が一部の子どもの注意力や感情に悪影響を与える可能性があることが判明。イギリスやEU諸国では既に警告表示が義務化され、多くの企業が使用を中止している。アメリカでは今年初めになってようやく赤色3号が食品から禁止されたが、その他の色素はいまだに使用可能で、米食品医薬品局(FDA)も規制には消極的だ。ちなみに赤色3号は、1990年にがんとの関連から化粧品での使用が禁止になった着色料だ。
ここでも格差が障壁に
ニューヨーク州では、公立学校での使用を禁じる法案が議論されたが、今年は成立しなかった。一方、一部の当局者は、子どもから人工着色料を遠ざけることについては保護者が責任を負うべきだと主張。これに対して保護者支援団体は、教育および経済的な困難を抱える人々にとって過度の負担になる可能性があると反対している。言葉の壁や情報取得の難しさを抱える家庭にとっては、添加物のリスクへの理解や対応がさらに困難で、保険でカバーされない人工着色料不使用のADHDの薬への切り替えの負担も大きい。ここでも格差が、子どもの健康保護の障壁となっている現実が浮き彫りになっている。
教育現場では、一部の子どもの行動問題が教室全体の学習環境に影響を及ぼすとの指摘もある。オハイオ州立大学が2012年に実施した研究では、人工着色料が原因で多動などの問題を示す子どもの存在が「教室の雰囲気全体に累積的な影響を与える可能性がある」と指摘。人工着色料の添加に反対する支援団体や保護者たちは、教育改善における重要な問題の一つとして、全米的な法規制を求めている。
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