“物価が安く、安全で文化的” そんなイメージで知られてきた日本の観光が、今、大きな転換点を迎えている。2025年から2026年にかけて、訪日旅行者を取り巻く制度や価格体系が大きく変わろうとしており、「もう日本は安くない」「2026年が日本へ行くラストチャンスかもしれない」という声が、外国人観光客のSNSを中心に広がり始めている。なぜ? 5つのポイントをまとめてみた。

1. 寺社やテーマパークが「観光客価格」に
訪日外国人に対して入場料を引き上げる「二重価格」制度が、一部の文化財やテーマパークで導入されている。
沖縄で開業したテーマパーク「ジャングリア」では、県民料金6930円に対し、外国人観光客向けは8800円と27%高く設定。京都の清水寺や奈良の東大寺、日光東照宮などの有名寺社でも、外国人の拝観料引き上げが検討されている。

観光公害の抑制や文化財の保全を目的とした施策だが、旅行者にとっては「気軽に立ち寄れる場所」が減っているとの印象を残しかねない。
2. 富士山にも通行料、1人4000円
自然観光の象徴である富士山も有料化が進む。2025年の夏山シーズンから、全ルートで登山者1人につき4000円の通行料が導入される予定だ。これまでは任意の寄付制だったが、今後は実質的な「入山料」として徴収される。

さらに1日あたりの登山者上限を4000人に制限し、事前予約やQRコードによる入山管理も導入される見込み。環境保護と安全管理の観点から歓迎する声がある一方で、訪問の自由度が下がるとの指摘もある。
3. 即時免税が終了、「後払い戻し型」
日本の魅力のひとつだった「即時タックスフリー制度」も、2026年11月をめどに大きく変更される。
現在は対象商品を購入時にパスポート提示で10%の消費税が免除されるが、制度変更後はその場で支払い、出国時に税関で払い戻しを申請する方式となる。対象商品の区分緩和など利点もあるが、手続きの煩雑さや返金待ちの不便さが懸念される。
4. 宿泊税・観光税・出国税がじわじわ増税
地方自治体による宿泊税も拡充が進む。大阪府では2025年から宿泊税の引き上げを予定しており、京都市では2026年春に最大1泊4000円までの段階制を導入する方針が検討されている。

また、国の出国税(いわゆる「さよなら税」)も、現在の1000円から最大5000円への増税が議論されており、旅行費全体への影響は避けられない。
5. J-ESTA導入で「気軽な入国」は終わる?
さらに注目されるのが、2028年から本格導入予定の電子渡航認証制度「J-ESTA」だ。ビザ免除国の旅行者も渡航前にオンラインで申請し、承認を受ける必要がある。米国のESTA制度に類似しており、セキュリティ強化と入国審査の効率化を狙う。
◇
これまで外国人観光客にとっては、 “格安で最高の体験ができる国” とされていた日本だが、今後は「コストと準備を要する目的地」としての色を強めていくことになりそうだ。
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