アメリカ高級ブランドの躍進が止まらない | コーチやラルフが爆発的人気、ワケは若年層をターゲットにした戦略に

ファッションブランドが立ち並ぶソーホー(photo: Unsplash / Yoav Aziz)
アメリカの高級ファッションブランドの躍進が止まらない。小売店の売り上げと株価で人気を独占してきたヨーロッパのファッションブランドを凌ぐ勢いだ。8月29日付のウォール・ストリート・ジャーナルが伝えた。

(photo: Unsplash / Yoav Aziz)
過去5年間における高級品業界での最高の投資対象はエルメスのような定番銘柄ではなく、コーチの親会社であるタペストリーやラルフ・ローレンで、2社の株価は2024年に60%超の総株主還元率を達成。今年に入ってそれぞれ29%、55%上昇した。直近の決算シーズンでは、ヨーロッパブランドとアメリカンブランドの業績格差が拡大。コーチは直近の四半期で前年比13%の売上増を達成。ラルフ・ローレンは11%の成長を記録した。

超富裕層向けのヨーロッパブランド―エルメスやブルネロ・クチネリはアメリカンブランドに追随。しかしグッチやLVMH傘下の高級ブランドの主力商品では需要が低迷。バンク・オブ・アメリカによると、ヨーロッパの高級ブランドの売上高は前四半期、前年同期比平均で3%減となった。
アメリカンブランド躍進の背景には、若年層や中間層をターゲットにした戦略にある。コーチは北米で100万人の新規顧客を獲得、その多くがZ世代やミレニアル世代だった。ヨーロッパブランドがパンデミック以降の急速な値上げで消費者から敬遠される一方で、アメリカンブランドは比較的手の届きやすい価格帯を維持し、新しい顧客層を獲得。特にラルフ・ローレンは1000ドル以下のバッグを多数そろえ、幅広い層から支持されている。
さらに、売上の1割近くを広告宣伝を費やし、ブランドイメージの刷新に注力。コーチは世界的な人気ブランドランキング「Lyst Index」で上位に入り、ラルフ・ローレンもバレンシアガやグッチを抜く位置に浮上した。アメリカ勢は中国市場でも好調で、価格に敏感な消費者を取り込んでいる。
一方、ヨーロッパ勢は新たなデザイナー起用で巻き返しを狙っている。グッチ、ボッテガ・ヴェネタ、シャネルを含む十数ブランドが新たなクリエイティブディレクターを採用し、9月にコレクションを発表する。ただ、結果が出るには時間がかかるため、投資家はアメリカンブランドをより有望とみている。
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