2025年9月4日 NEWS DAILY CONTENTS

NYの地下鉄運行が過去7年で最悪、住人は「何回遅れたか覚えていない」と憤り

ニューヨーク州都市交通局(MTA)が先週発表した地下鉄の6〜7月の運行状況の統計から、ニューヨークの地下鉄が機能不全に陥っていることが明らかになった。主な原因は開業100年を超える地下鉄の老朽化とその対策の遅れ。ゴッサミストが2日、伝えた。

パンデミック前は遅延も改善傾向だったが、ここにきてまた逆戻りだ(photo: pixabay / igorovsyannykov)

この2カ月の主な運行トラブルの発生回数は138回。車両故障が日常的に発生し、クオモ前知事が非常事態を宣言した2018年以来最多を記録している。ニューヨーク市交通局(NYCTA)のビル・アマローサ副社長は「この夏のトラブルのうち、遅延は50回以上だ」と打ち明ける。

機器類の多くは20世紀中頃の製造。修理工場も不全状態の中、目立つのが信号システムの故障だ。更新は当初の予定より9カ月〜3年も遅れている。新しいインフラ改善5年計画も財政源の目処が立たなかったことから承認が5カ月も遅延。信号以外では、線路や車両の故障が遅れの原因に挙げられている。一方、MTAの広報担当は「資本投資が始まれば、長期的にはトラブルが減少する」と楽観的だ。

7月、ウエスト4駅付近では停電や洪水のため、運行停止や遅れが相次いだ。ブルックリン在住のニコール・ストレゼペックさん(24)は「7番線を毎朝通勤に利用している。何回遅れたか覚えていないくらい」と憤慨する。統計によれば7番はトラブルが多い5路線の一つ。その他、E、N、1番線で問題が多発した。

利用者の支援団体ライダースアライアンス(Riders Alliance)の報道担当、ダニー・パールステインさんは「地下鉄網は50年前に崩壊した。車両や線路は新しくなったが、信号システムや電気系統、トンネルなどの構造は老朽化がその後も進み、大規模な改善が必要」と指摘する。「簡単には直らないから、最悪の状況はしばらく続く」と推測している。

                       
合わせて読みたい記事
RELATED POST