ハリケーン「サンディ」から13年、NYが選んだ “生き残る街づくり” とは?

Nassau County, NY, November 8, 2012-- Aerial views of damage to Long Beach due to Hurricane Sandy. Following the hurricane, a nor'easter struck the area causing more power outages and additional floooding. Andrea Booher/FEMA
ニューヨーク市内の死者は少なくとも43人、数千戸の住宅と数十万台の車両が被害を受け、市に約190億ドルの経済的損失を与えたハリケーン「サンディ」から29日で13年になる。ニューヨークタイムズは15日、洪水に対する市の備えについてレポートした。

海水面上昇による沿岸洪水やゲリラ豪雨による鉄砲水。2080年までにニューヨーク市の30%が甚大な被害を被る可能性がある。140万人、市の人口の17%が危険にさらされている。
問題は雨水と汚水を合流させて排水する下水道だ。1時間に1.75インチの降雨量に耐えられるように設計されている。1995年まで上限に達したことはなかったが、過去5年のうち3年でこの上限を超えた。システムの処理能力を超えている。
対策は「スポンジシティー」。道路脇などに緑地帯を設け、雨水を吸収させて、下水道への流入を減らそうというアイデアだ。市はグリーンインフラ整備に対し開発業者にインセンティブを与えている。スタテン島では、池や湿地帯を結ぶ排水路「ブルーベルト」が功奏。ゴワナスでは市環境保護局が800万ガロンの地下タンクを建設中。雨水を一時的に貯水し、下水道の負荷を減らす目論みだ。
高潮対策には「要塞化」。ハリケーン「サンディ」後、陸軍工兵隊が提案した防潮堤の予算は530億ドル。それでも市の37%でリスクが残り、景観も損ねる。治水の先進国オランダを参考とした、96%の地域を保護する案は1190億ドル。実現するかは不明だ。その間、ウォーターフロントの要塞化でしのぐ。ロッカウェイでは護岸用砂丘の高さを2倍に上げた。バッテリーパークでは防潮壁を建設し、プロムナードをかさ上げした。
究極の対策は「移住」。ハリケーン「アイダ」では地下室に雨水が流入して、少なくとも13人が溺死した。生死がかかっているとなると話は別。リスクのある140万人も住宅買い上げに応じるかもしれない。その前提として、移住先となる高台に住宅建設が必要だ。今年から周辺地域より低く「穴」と揶揄されるクイーンズ南部でパイロットプログラムが始まっている。
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