“帰国子女受験は多種多様である”

帰国子女受験に向いている子や向いていない子はいるのでしょうか?
帰国子女受験に「向き・不向き」という線引きはありません。英語圏に数年住み英検準一級を持ちながら四教科受験を選ぶ子もいれば、非英語圏のインターナショナルスクールで培った英語力を生かして受験をする子もいます。どこに住んでいたかよりも、本人の関心や好奇心がどちらの方向を向いているかが受験スタイルを左右します。進学校に帰国子女枠で合格した生徒たちは、滞在国や年数にかかわらず英語が好きで、本を読むのが好き、英語で表現することが楽しい、といった共通点がありました。英語を”科目”ではなく、自分を表現し、他者とつながり、世界を理解するためのツールとして捉えられることこそ、帰国子女受験で力となる大きな要素です。
一方で、日本人が多い地域では、現地校以外の時間を日本語で過ごすことが多く、英語を使う機会はどうしても減りがちです。それでも、受験期は負担が大きくプレッシャーを感じやすい時期だからこそ、得意分野が心の支えになります。帰国生にとって英語がその役割を担うことが多く、「英語が好き」という気持ちが努力を続ける原動力になります。だからこそ、帰国子女受験を考えるなら、今の環境を活かして地域のイベントや活動に参加し、英語で人と関わる時間を少しずつ増やしていくことが大切です。
受験する学校はどのように選べば良いですか?
いま、中学受験の価値観は変わりつつあると感じています。難関校=最良の選択という考え方は今もありますが、近年では人気校が分散する傾向にあり、どんな学校に入るかよりも、どんな学びを体験できるかが重視されるようになっています。非認知スキルや探究的な学びを重視する学校が増え、知識の量よりも、思考力・表現力・協働性といった学びの質が問われる時代に変わりつつあります。
私立中学校の魅力は、それぞれが独自の理念と教育方針を持ち、ユニークな学びを提供している点にあります。こうした特色は、英語教育やグローバル教育、探究型カリキュラムにつながっています。さらに、国際バカロレア(IB)やダブルディプロマなど、高度な国際教育プログラムを採用する学校も増えています。こうした動きの背景には、大学進学や社会の変化があり、国内外の大学の評価基準も、偏差値ばかりでなく「何を学び、どう成長してきたか」を重視するようになっています。
学校を選ぶうえで、子どもが日々の学びや活動の中で「ここが自分の居場所だ」と感じられるかどうかは、とても重要なことです。授業や行事、クラブ活動、人との関わりを通して、学ぶことを心から楽しめる学校は、知性だけでなく人間性も大きく育てます。6年間というかけがえのない時間を、自分らしく考え、挑戦し、成長できる環境で過ごせるかどうかが、これからの学校選びで大切な視点だと思います。

小学校高学年、中学からの帰国子女受験について教えてください
中学編入試験は、定期的に実施する学校もあれば、空席が出た場合のみ募集を行う学校もあります。後者の場合は、学校へ直接問い合わせることで、募集状況や受験時期を確認する必要があります。空席があることが前提のため、狭き門になりがちです。
試験では国語と数学を課す学校が多く、特に進学校では在籍生と同等の学力が求められます。内容が公立中と同程度の学校もある一方で、進度の速い学校では相応の準備が必要です。そのため、帰国直後の編入よりも、高校受験の方がチャンスが広がるケースも少なくありません。実際に、渋谷教育学園幕張中への編入試験(3教科)で不合格だったものの、高校入試(英語1科目)で合格した例もあります。
高校受験では、英語重視の傾向こそあるものの、国語・数学や面接等を併せた方式が一般的です。国語・数学については、出題内容や形式に一定の考慮があるものの、上位校では一般入試と遜色ないレベルの理解力・論述力が求められます。基礎を確実に固め、思考の筋道を明確に示す力を養うことが大切です。英語では、英検1級やTOEFL iBT 100点以上を目標にするとよいでしょう。
帰国子女アカデミーの中高生クラスは、英語保持・向上から高校受験、編入対策まで幅広く対応しています。英語保持・向上クラスでは、アメリカの大学1〜2年生レベルの題材を通じて、語学力を強化し英語で学び続ける力を育てます。英検・TOEFLなどの資格試験対策も充実しています。高校受験クラスでは、筆記、ライティング、面接、志望校別対策までサポート。DL Flexという通信コースでは、中学編入試験に特化した12週間の集中プログラムを用意しています。テスト対策ではKAオリジナルのテストを用い、出題傾向や形式の変化に対応できる本質的な得点力を養います。いずれもDistance Learningでオンライン受講ができるため、現地校に通いながらでも日本の入試水準に沿った対策を計画的に進めることができます。来年度には、海外大学や国内の総合型選抜入試にもつながる大学受験クラスの開講を予定しています。
国語、算数の授業について教えてください
帰国子女アカデミーの国語・算数プログラムは、英語を軸に学ぶ帰国生が、日本の受験にも対応できるよう設計されています。現地校やインターナショナルスクール出身の生徒が戸惑いやすい、日本の国語や算数の出題形式や思考の進め方を丁寧にフォローし、高い英語力を保持しながら効率的に受験準備を進められるようサポートしています。
授業は日本時間・日本語で行われるオンライン形式で、時差の関係で受講できない場合には、オンデマンドも対応しています。国内大手進学塾と同じ教材を使いながら、帰国生指導に精通した講師が生徒の背景に寄り添い、苦手分野を的確にフォローします。また、算数の英語出題や日本語作文、日本語面接など、帰国生入試や英語入試特有の形式にも対応しています。実際に受講しているご家庭からは、KAで受験国語、算数も対策ができるようになったことで、英語に重きを置きつつ必要最低限の国算を対策でき、三教科の両立がしやすくなった、オンライン授業だが双方向で先生の目が行き届き、取り組み方まで丁寧に見てもらえた、といった声が届いています。


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