ゾーラン・マムダニ新市長(民主)は1日、バーニー・サンダース上院議員やアレクサンドリア・オカシオ=コルテス下院議員(共に民主)ら数千人のニューヨーカーと政界の著名人を前に就任演説を行い、労働者階級のニューヨーカーに焦点を当てた「大胆な計画」と称する市政運営方針を明らかにした。ニューヨークタイムズなど主要メディアが同日、伝えた。

マムダニ氏のニューヨーク市長就任は、数々の「初」を記録。100年以上ぶりに最年少の市長となったのも、ムスリムで南アジア系人物が市長に選ばれたのも、就任宣誓にコーラン(イスラム教の聖典)を使用したのもマムダニ氏が初。34歳の民主社会主義者は演説でこれらの点を強調した。
就任演説でマムダニ氏は、選挙運動時と同様に民主社会主義者として統治すると宣言。「過激と見なされる恐れから原則を放棄することはない」と、批判派の非難にかかわらず、労働者階級のニューヨーカーに焦点を当てると述べた。富裕層や企業への課税で、ユニバーサル保育やバスの無料化などの公約を賄う方針を再確認。ビル・デブラシオ、デイビッド・ディンキンス、フィオレロ・ラガーディアら「最も弱い立場の市民を支えた歴代市長」の系譜に自らを位置付けた。ニューヨークが全米、さらには世界における民主的社会主義思想の実験場となり得るとも予測。依然として彼に警戒心を抱く人々に向けて結束を呼びかけた。
また、最低賃金の引き上げに反対する「億万長者層」を名指しで批判。トランプ大統領と、市長選の最大のライバルだったクオモ前州知事を批判し、「寡頭政治と権威主義に対して、彼らが望む懐柔策ではなく、彼らが恐れる力で対応していく」と主張した。マムダニ氏の政策や手腕に懐疑的な市民に向けては「あなたがニューヨーカーであるなら、私はあなたの市長だ。意見が一致するか否かにかかわらず、私はあなたを守り、共に喜び、共に悲しみ、決して一瞬たりとも、あなたから身を隠したりはしない」と呼びかけた。また、支持基盤を超えた幅広い支持を得られる可能性のあるいくつかの構想も披露。イデオロギーの立場を問わず、多くのニューヨーカーが不満を抱えてきた固定資産税制度の改革について言及した。
自らの半生を振り返り、NYの多様性を称賛
マムダニ氏はウガンダでインド系両親のもとに生まれ、少年時代にニューヨーク市へ移住した。コロネット・ピザで大きなスライスを食べたこと、アイドリング状態の地下鉄N線の車内に閉じ込められたこと、妻との初デートはブルックリンのマッカレンパークだったこと、ブロンクス科学高校の授業に遅刻したことなど、個人的なエピソードを披露。
「スティールパンの音を聴き、サンコチョの香りを楽しみ、同じブロックで9ドルのコーヒーが飲める場所が他にあるだろうか?」「私のようなムスリムの子どもが、毎週日曜にベーグルとロックスを食べながら育つ場所が他にあるだろうか?」と、多民族都市ならではの食文化とそれらを提供するジャマイカ、インド、ユダヤ系のコミュニティー、多様性から生まれるダイナミズムを称賛。「この街を故郷と呼ぶ時間の長さがどれほどであったとしても、その愛があなたの人生を形作ってきたのだ。私の人生もまた、その愛によって形作られてきたことを私は知っている」と語った。
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