ちょっとした「やってみよう」が、人と人をつなげ、地域を支えているニューヨーク。ボランティア活動でのリアルな声や、心動く瞬間をNY de Volunteer がお届けします。
私たちNY de Volunteer は、社会課題の解決に向けて自ら考え行動する「チェンジメーカー」を育てることを目的に、2003年からニューヨークで活動している非営利団体です。
NY de Volunteer は、コニーアイランドを訪れた一人の日本人女性が、あまりに汚いビーチにショックを受け、「何かできることを」と、自らの手でごみ拾いを始めたことから始まりました。連載では、活動現場での人と人との触れ合いから生まれる、さまざまなエピソードをお届けしています。
ニューヨーク公共図書館(NYPL)が主催する、年次イベント「ボランティア感謝デー(Annual Volunteer Recognition Day)」が4月16日に開催され、NY de Volunteerのメンバーや、ボランティアの皆さんが参加しました。
図書館は人と地域つなぐ公共インフラ
図書館と聞くと、日本では「本を借りる、または静かに勉強する場所」といったイメージが強いかと思います。一方ニューヨークでは、「地域住民の生活を支える交流拠点(Community Hub)」という考え方が根付いており、さまざまなサービスの提供を通じて、公共インフラとしての役割を担っています。
NYPLが提供するサービス
就職・キャリア支援
履歴書(Resume)の添削や面接対策、PCスキル講座、起業・キャリア相談等、失業中の人だけでなく、「転職したい」「新しい仕事に挑戦したい」という人も利用します。
移民支援・語学学習
無料ESL(英語)クラス、市民権取得講座、さまざまな言語による語学クラブなどが、毎週開催されています。約3人に1人が外国生まれとされるニューヨーク。図書館は、新しくこの街に引っ越してきた人が地域社会に溶け込むための入り口になっています。
地域イベント
コンサートや映画の上映、作家による講演、読書会、ボードゲーム大会などのイベントを開催。「今日は図書館でイベントがあるから行こう」と、気軽に利用する住民も少なくありません。
その他にも、子育て支援や高齢者向けプログラムなど、NYPLが提供するサービス領域は多岐にわたります。その根底にあるのは、「知識へのアクセス」だけでなく、「学習機会の提供」「デジタル格差の解消」「文化活動」「就労支援」「地域交流」までを図書館の役割と位置付ける、ニューヨークならではの考え方です。
NYに根付く「奉仕を讃える文化」
NY de Volunteerでは、NYPLのスタブロス・ニアルコス・ファウンデーション図書館(SNFL)で開催されている「日本語入門クラス」の運営サポートを行っています。日頃の地道な活動への感謝として、今回ご招待いただきました。
会場は、長年ボランティアとして地域に貢献してきたシニアをはじめ、多くの参加者の熱気と笑顔に包まれていました。 無料の奉仕活動に対して、これほどまでに盛大な、感謝の機会が用意されていることに、参加したボランティアからも驚きと感動の声が上がりました。
「たった1度参加しただけでしたが、感謝デーに招待されて本当に驚きました。無償の奉仕に対して、こういう形でしっかりとリスペクトを示せる、ニューヨークの文化の偉大さを肌で感じました」と振り返る参加者も。また、会場に集まった多くのボランティアの姿を見て、アメリカにおけるボランティア活動の根付きの深さと、長年活動を続けている人々への敬意を改めて感じたメンバーもいました。
主催者の素晴らしいスピーチが響き、活動の様子を捉えたスライドショーが上映される中、私たちの活動が地元コミュニティーの一員としてしっかりと認識され、感謝されているのだという実感が込み上げ、胸が熱くなりました。参加したメンバーからは「他にも地元コミュニティーとつながれるチャンスがあるんだ」との声が上がり、次の活動への意欲が湧いてきました。

日本語がつなぐ新たな輪
私たちの母国語である日本語を学びたい、知りたいと思ってくれる現地の人々がいること、それ自体が素晴らしいことであり、誇らしいことです。「彼らの学びをサポートしたい」というボランティア一人一人の純粋な想いが、結果としてニューヨークを代表する公的な機関であるNYPLとの強い絆を生み出しました。
この絆をベースに、今年の夏のクラスではさらに一歩踏み込んだサポートを展開しています。 これまでの運営協力に加え、日本語入門クラスの教材確認や授業スタイルへの具体的なアドバイスを実施しました。また、受講生の皆さんに日本文化をより深く体験してもらうための新たな取り組みも実施しました。
6月末の授業では、七夕が近いこともあり、七夕の昔話を紹介したり、仙台の七夕祭りの映像を見たりして日本のアートや文化に触れてもらいました。 生徒の皆さんは、色とりどりの短冊に思い思いの願いを書き込んだり、熱心に質問を投げかけてくれたりと、日本語や日本文化への興味をより深める素晴らしい機会となりました。

地道な一歩から始まった日本語クラスのサポートですが、今では活動の範囲も拡大し、素晴らしい広がりを見せています。 これからもNY de Volunteerは、ニューヨークの街と人々に寄り添いながら、温かい支え合いの輪をさらに大きく広げていきます。そして、在米日本人が活躍し、共に成長できる場を創り続けていけたらと思っています。
執筆:NY de Volunteer運営スタッフ
NY de Volunteer
市民の社会参加やボランティア活動を推進し、グローバルリーダーの育成を通じて、社会課題の解決に向けて自発的に考え、行動する「チェンジメーカー」を社会に送り出すことを目的に、2003年から活動する非営利法人。公式SNSでは、ニューヨークでのボランティア活動の魅力や、イベント情報を配信中。フォロー&いいね!をお待ちしています。
Instagram: https://www.instagram.com/nydevolunteer/
















