ちょっとした「やってみよう」が、人と人をつなげ、地域を支えているニューヨーク。ボランティア活動でのリアルな声や、心動く瞬間をNY de Volunteer がお届けします。

私たちNY de Volunteer は、社会課題の解決に向けて自ら考え行動する「チェンジメーカー」を育てることを目的に、2003年からニューヨークで活動している非営利団体です。

NY de Volunteer は、コニーアイランドを訪れた一人の日本人女性が、あまりに汚いビーチにショックを受け、「何かできることを」と、自らの手でごみ拾いを始めたことから始まりました。連載では、活動現場での人と人との触れ合いから生まれる、さまざまなエピソードをお届けしていきます。

これまでの連載では、過去に実施したさまざまなプログラムの様子を中心にお届けしてきましたが、今回は少し視点を変えて、ニューヨークにおけるボランティア活動の位置付けやその背景について考えてみたいと思います。特にこれからニューヨークで何か新しいことを始めたいと考えている方にとって、一つの参考となれば幸いです。

日本で活動の妨げになるものは?

私は最近 NY de Volunteer の運営スタッフに加わりました。日本にいた頃はボランティアに特別な関心があったわけではなく、活動の存在は知っていてもどこか他人事のように感じていました。それは、身近に活動へ触れる機会が少なく、具体的なイメージを持てていなかったからだと思います。

昨年内閣府が行った調査においても、ボランティア活動への参加の妨げとなる要因として「情報不足」が上位に挙げられていました。

【出典】令和7年度市民の社会貢献に関する実態調査(内閣府)

一方、ニューヨークでは生活のさまざまな場面でボランティア活動を目にする機会があり、単なる慈善活動ではなく、地域コミュニティーを支える「市民参加」として定着していることを感じます。例えば、生活困窮者への食糧支援(フードバンク)や公園の清掃活動の他、高齢者施設での交流、子ども向けの洋服作り、市民マラソンの運営補助など、多様な活動が行われています。私の友人にも、こうした活動に参加している人が少なくありません。

実際に、NYC Service(ニューヨーク市長室の直轄部門)が市民を対象に行ったアンケートによると、「過去12カ月以内に何らかのボランティア活動に参加しましたか?」という質問に対して、約半数(47%)が「はい」と回答しました。その活動内容も多岐に及んでいます

【出典】The Power of Volunteering: Findings on connection, unity, and health of volunteers in NYC Survey (NYC Service)

活動を支えるNPOの存在

ニューヨークでボランティアが身近な理由の一つが、活動を支えるNPO(非営利団体)の存在です。

アメリカでは「行政が直接サービスを提供する」のではなく、「行政→NPO→ボランティア」という形で公共サービスを提供するケースが多くあります。そのため、日本であれば自治体職員や公的機関の職員が中心になって担うような医療・福祉・教育等の分野における多くの公共サービスがNPOによって運営されています。中でもニューヨーク州には病院や大学を運営する大規模組織から地域密着型の小規模団体まで多数のNPOが存在しており、その雇用比率は約17%と全米平均(約10%)を大きく上回ります。

<NPOや市民ボランティアが提供する公共サービスの例>  

・公園管理・緑地保全:清掃、イベント運営、来園者案内

・公立図書館の支援:本の整理、読み聞かせ、ESL(英語学習)等学習プログラムの支援

・ホームレス支援:炊き出し、シェルター運営補助、衣類配布

・美術館等の文化施設:受付、案内

公園における読書イベント
公共図書館における学習プログラムの案内

これらのNPOが、社会課題の解決に向けて日々活動を行っており、さまざまな分野でボランティアを募集しています。募集を行うプラットフォーム(例:New York Cares)も整備されており、必要な情報にすぐにアクセスできるため、応募のハードルが低く、活動に参加しやすい環境が整っています。

世界のモデルケース、ニューヨーク

世界中から多様な民族や文化が集まるニューヨーク。それゆえ社会課題も多様ですが、多くのNPOがボランティア活動を通じて、一人一人にとってより良い生活環境の実現を試みています。それらの課題は、日本や、世界の他の地域にも共通する、もしくは近い将来起こり得ることかもしれません。

ボランティアが生活の一部となり、さまざまな取り組みで世界をリードするニューヨークの街を教材に、ボランティアについて一緒に学んでみませんか?大きなビジョンが描けなくても、活動を通じてニューヨークの社会と関わる中で、新たな視点や気づきが得られるはずです。

私もニューヨークならではの経験をしたいと考えていたとき、地域の一員として社会に貢献しつつボランティア活動を通じて「多様性と調和」を体現する社会のあり方について学びたいと思い、運営に携わることを決めました。

これまでの連載で紹介した活動以外にも、「こんな分野でもボランティアに取り組んでみたい!」という新規のアイデアも大歓迎です!多くの皆様のご参加をお待ちしております。

執筆:Maaya(NY de Volunteer運営スタッフ)

NY de Volunteer

市民の社会参加やボランティア活動を推進し、グローバルリーダーの育成を通じて、社会課題の解決に向けて自発的に考え、行動する「チェンジメーカー」を社会に送り出すことを目的に、2003年から活動する非営利法人。公式SNSでは、ニューヨークでのボランティア活動の魅力や、イベント情報を配信中。フォロー&いいね!をお待ちしています。

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